「厚生年金保険って、会社員や公務員だけが入るの?」「国民年金とどう違うの?」
そんな疑問を持つ方のために、この記事では厚生年金保険の基礎からしくみ、メリット、給付内容までをやさしく解説します。
✅ 厚生年金保険とは?【読み方:こうせいねんきんほけん】
厚生年金保険とは、公的年金制度の一つで、会社員や公務員など給与を受け取る勤労者が加入する年金制度です。
日本の年金制度は「2階建て構造」と呼ばれ、
-
1階部分:国民全員が加入する「国民年金(基礎年金)」
-
2階部分:会社員や公務員が加入する「厚生年金保険」
というように構成されています。
つまり、厚生年金保険は国民年金に上乗せして給付される制度なのです。
📌 厚生年金保険の主な目的と特徴
厚生年金保険は、以下のようなライフイベントに備えて給付を行います:
給付の種類 | 内容 | 代表的な名称 |
---|---|---|
老齢給付 | 定年後に支給される | 老齢厚生年金 |
障害給付 | 病気やケガで障害を負ったとき | 障害厚生年金 |
遺族給付 | 死亡時に遺族に支給される | 遺族厚生年金 |
このように、老後の生活資金だけでなく、万が一の障害や死亡にも備えられるのが特徴です。
👥 加入対象者とは?
厚生年金保険に加入するのは、厚生年金適用事業所に勤務する人が基本です。具体的には次のような方々が対象になります:
-
一般の会社員(正社員・契約社員・パートタイム勤務者※)
-
国家・地方公務員
-
一部の私立学校教職員
※パートやアルバイトでも、一定の労働時間・給与水準を満たすと加入対象になります(例:週20時間以上勤務など)。
💴 厚生年金保険の保険料と仕組み
厚生年金保険の保険料は、毎月の給与(報酬)に応じて決まり、労使折半で負担します。
-
2025年時点の保険料率:約18.3%
-
そのうち半分は会社が負担
この仕組みのおかげで、自営業者が全額自己負担する国民年金よりも、支払いに対するリターン(年金額)が大きいというメリットがあります。
💡 例で理解する:Aさんのケース
たとえば、35歳の会社員Aさんが60歳まで厚生年金保険に加入し続けたとします。
-
毎月の給与:30万円
-
加入期間:25年間
この場合、将来は基礎年金(国民年金)+厚生年金が支給され、一般的に月額15〜18万円前後の年金を受け取る可能性があります(あくまで目安です)。
🔍 国民年金との違いとは?
項目 | 国民年金 | 厚生年金保険 |
---|---|---|
加入対象 | 全国民(20〜60歳) | 会社員、公務員など |
保険料 | 月額定額(全額自己負担) | 給与比例(会社と折半) |
年金額 | 一律(年額約80万円※) | 給与と加入年数に比例 |
上乗せ制度 | 原則なし | 上乗せ(2階建て) |
※2025年度の老齢基礎年金の満額支給目安
📆 加入年数と受給資格
年金の受給には原則10年以上の加入期間が必要です(国民年金と厚生年金の合算でOK)。
⚠ 注意点とよくある誤解
-
「厚生年金=民間だけ」と誤解されがちですが、公務員や私立学校の教員なども加入対象です。
-
厚生年金をやめてしまうと、その分の将来の年金額は減少します。転職や退職の際は年金の継続加入を忘れずに。
✅ まとめ|厚生年金保険は“公的年金の中核”を担う制度
厚生年金保険は、日本の公的年金制度における「2階建て構造」の上部を支える重要な制度です。
会社員や公務員として働いている間に加入することで、老後の安心や万が一の備えが手厚くなるのが大きなメリット。
加入条件や保険料の仕組みを理解して、自分の将来設計にしっかり役立てていきましょう。
さらに参照してください: