会社員や公務員など、健康保険や厚生年金保険の被保険者になっている方にとって、保険料や将来の年金額に大きく関わるのが「算定基礎届(さんていきそとどけ)」です。
この記事では、算定基礎届の意味や仕組み、提出時期や注意点について、初めて耳にする方でも理解できるよう、わかりやすく解説していきます。
✅ 算定基礎届とは?
算定基礎届とは、健康保険と厚生年金保険の「標準報酬月額」を決めるために、毎年企業が提出する届出書のことです。
この届出は、会社に勤める従業員(被保険者)一人ひとりに対して必要で、会社が7月1日時点で雇用している全従業員の、4月・5月・6月に支払った報酬(給与や手当など)をもとに作成します。
💡 なぜ必要?算定基礎届の目的
保険料の計算に用いられる「標準報酬月額」は、従業員の実際の収入にできるだけ近づける必要があります。
しかし、入社時や過去のデータだけで計算すると、実際の報酬とのズレが生じやすいため、それを修正・反映するのがこの「算定基礎届」です。
▶ 標準報酬月額が決まるとどうなる?
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健康保険料・厚生年金保険料の金額が決まる
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将来受け取る年金額にも影響する
つまり、算定基礎届は「自分の社会保険の基礎データ」を年に1回見直す重要な手続きなのです。
🗓 提出時期と対象期間
内容 | 詳細 |
---|---|
対象期間 | 毎年4月~6月に支払われた報酬 |
提出時期 | 毎年7月1日~7月10日頃(地域により異なる) |
提出先 | 管轄の年金事務所または事務センター |
※電子申請も可能で、社会保険労務士などに代行を依頼するケースもあります。
📌 提出するのは誰?社員が何かする必要ある?
提出するのは**会社の事業主または担当者(総務・人事)**です。
従業員自身が何か手続きをする必要は基本的にありません。
ただし、報酬額に大きな変動があるなどの事情がある場合は、「随時改定(月額変更届)」が必要になることがあります。
🧾 具体例でイメージ!
例えば、以下のようなケースを見てみましょう。
Aさんの4月〜6月の報酬
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4月:30万円
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5月:32万円
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6月:31万円
→ 平均月額:31万円
この金額をもとに、Aさんの標準報酬月額は「30万円台」の等級に決定され、そこから毎月の保険料や将来の年金額が算出されます。
⚠ 注意点
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賞与(ボーナス)は含まれない
→ 毎月の定期的な報酬のみが対象です -
短時間勤務者やパートも対象になる場合がある
→ 要件を満たすと適用対象に
まとめ|算定基礎届は「年に1度の重要な保険手続き」
算定基礎届は、会社員として健康保険・厚生年金に加入している限り、毎年自動的に会社側が手続きをしてくれるものです。
ただし、保険料や将来の年金に直結するため、自身の給与明細や保険料の控除額などにも意識を持つことが大切です。
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