病気やケガで生活や仕事に支障をきたすようになったとき、**どんな公的サポートがあるのか?**と不安になる方も多いはず。
そんなときに頼りになるのが、「障害基礎年金(しょうがいきそねんきん)」です。
この記事では、障害基礎年金の仕組みや対象条件、金額、申請のポイントを、初心者にもわかりやすく解説します。
✅ 障害基礎年金とは?
障害基礎年金とは、国民年金に加入している人(または特定の条件を満たす人)が、病気やけがによって重度の障害を負った場合に支給される公的年金です。
この制度は、「老後」ではなく「万が一の障害状態」に備えるもので、年齢に関係なく受け取れる可能性があるのが大きな特徴です。
🧑🦽 どんな人が対象?受給できる条件
障害基礎年金を受け取るには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
① 初診日が特定の期間にあること
障害の原因となった病気やけがについて**医師の診察を初めて受けた日(初診日)**が、以下のいずれかに該当していること:
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国民年金に加入している期間中
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20歳未満の間(未加入期間でも対象)
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60歳以上65歳未満で、国内に住所がある期間中
② 法律で定められた「障害等級1級または2級」に該当すること
障害基礎年金は、障害等級が1級または2級の場合のみ支給されます。
障害等級 | 内容(ざっくりと) |
---|---|
1級 | 日常生活に全面的な介助が必要な状態 |
2級 | 日常生活に著しい制限がある状態 |
※3級や軽度の障害は対象外です(厚生年金加入者であれば別途「障害厚生年金」があります)。
③ 保険料の納付要件を満たしていること
初診日の前日時点で、以下のいずれかの納付要件を満たす必要があります:
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初診日のある月の2か月前までの期間のうち、保険料を納付・免除されていた期間が3分の2以上あること
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または、直近1年間に未納がないこと
💰 障害基礎年金の支給額はいくら?
障害基礎年金の支給額は、等級と扶養の有無によって決まります(令和6年度時点の金額で解説)。
等級 | 年額(単身者) | 子どもがいる場合の加算(1人目・2人目) |
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1級 | 約99万2,600円 | 各子どもにつき年額22万4,700円 |
2級 | 約79万4,900円 | 各子どもにつき年額22万4,700円 |
※3人目以降の子には、1人あたり約7万4,900円が加算されます。
📌 障害基礎年金の申請方法と流れ
▶ 基本の流れ
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初診日の証明を取得(受診した病院から)
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診断書(障害認定日用)を医師に作成してもらう
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住民票・年金手帳など必要書類を用意
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住所地の年金事務所・市区町村役場に申請
申請後は審査に時間がかかるため、早めの準備が重要です。
👨👩👧【具体例】実際の受給ケース
🧑🦯 事例:視覚障害のある30歳男性(国民年金加入中)
初診日が20代後半で、障害等級2級と認定。扶養する子が2人いるため、年額:約124万円の障害基礎年金を受給中。
⚠ よくある勘違い・注意点
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「障害者手帳があれば年金がもらえる」と思っている方もいますが、手帳と障害年金の認定基準は別物です。
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また、働いていても障害基礎年金の受給は可能です。収入によっては一部制限がありますが、「働けない=受給可」という単純な構図ではありません。
✨ まとめ|障害基礎年金は「もしも」の備えになる公的保障
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障害基礎年金は、国民年金の保障のひとつ
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対象は1級・2級の障害状態に該当する人
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支給額は年額約79万円〜、子ども加算あり
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申請には初診日や納付要件など条件クリアが必要
「まだ若いから大丈夫」と思っていても、突然の事故や病気は誰にでも起こり得ます。
将来に備えて、制度の内容を正しく知っておくことが大切です。
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