自殺免責とは

自殺免責とは?保険金が支払われないケースと注意点

生命保険に加入している方にとって、「万が一」のリスクをカバーしてくれる保険金の存在は心強いものです。

しかし、その「万が一」が自殺であった場合、保険金は必ずしも支払われるわけではありません。

この記事では、保険に関する大切なルールのひとつである**「自殺免責(じさつめんせき)」**について、わかりやすく解説します。

✅ 自殺免責とは?意味と法的根拠

自殺免責とは、被保険者が故意に自ら命を絶った場合、保険会社が保険金を支払う義務を免れる(=免責される)という制度です。

これは、生命保険契約の基本的な免責事項のひとつであり、保険法第51条にも明記されています。

保険法第51条:被保険者が故意に自己の生命を絶ったときは、保険者は、保険金の支払義務を負わない。

この規定により、自殺によって生命保険金を受け取ることを目的とした契約の乱用を防ぐ役割を果たしています。

🕒 いつまで保険金は出ない?免責期間に注意

多くの保険商品では、「一定の免責期間」を設けることで公平性を保っています。たとえば、

  • 免責期間:契約日から3年以内

  • この期間中に自殺した場合:保険金は支払われない

  • 免責期間を過ぎた後:原則として保険金は支払われる

この免責期間は保険会社ごとに異なるため、契約前に約款をしっかり確認することが大切です。

💡 具体的な事例:支払われる?支払われない?

以下は、実際に起こりうるシチュエーションをもとにした例です。

ケース①:契約から2年後に自殺

免責期間中のため、保険金は支払われない

ケース②:契約から4年後に自殺

免責期間を過ぎているため、保険金が支払われる可能性が高い

ただし、保険会社が「自殺ではなく事故である」などの因果関係を調査する場合もあります。

精神疾患の有無や診断歴なども関係することがあります。

🔍 なぜ免責があるの?制度の背景

自殺免責が設けられている主な理由は以下のとおりです。

  • 経済的動機による「自殺目的の保険契約」の抑止

  • 被保険者の保護(精神的疾患を抱えている場合の保険利用の複雑性)

  • 保険制度の健全性維持

保険は“想定外”のリスクをカバーするための制度であり、「意図的に起こすことができる出来事」は、原則として対象外とするというのが制度設計の基本です。

📝 加入前にチェックしたいポイント

  1. 免責期間が何年かを確認

  2. うつ病などの精神疾患がある場合の告知義務を確認

  3. 遺族が受け取れる給付金の範囲(葬祭費や見舞金など)も調べておくと安心

 

まとめ:自殺免責は「保険の基本ルール」

「自殺免責」は重いテーマですが、保険の仕組みを正しく理解するためにとても重要な概念です。特に生命保険に加入する際は、免責期間の有無やその長さ、対象条件を事前に確認しておくことが、トラブル防止につながります。

保険は「いざという時の安心」のためのもの。だからこそ、契約内容を正しく理解して、ご自身とご家族を守る第一歩を踏み出しましょう。

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