交通事故に巻き込まれたとき、加害者・被害者の間で話し合いをしなければならない「示談交渉」。
でも実際には、「何を話せばいいの?」「法律的なことがわからない…」という方がほとんどではないでしょうか。
そんなときに力になってくれるのが、**保険会社による「示談代行(じだんだいこう)」**です。
この記事では、示談代行の意味や仕組み、支援されるケースとされないケース、注意点までをわかりやすく解説します。
✅ 示談代行とは?
示談代行とは、交通事故などで保険契約者が賠償責任を負う事故を起こしたときに、保険会社(または弁護士などの専門家)が本人に代わって相手方と交渉を行うことをいいます。
▼ 主に対応する保険の種類
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対人賠償保険(人にけがをさせた場合)
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対物賠償保険(物や車を壊した場合)
示談交渉は法律的な知識が必要なうえ、感情的な対立や金銭交渉も絡むため、精神的負担も非常に大きいのが実情です。
そこで、保険会社が本人の代理として相手側と話し合いを進め、和解(示談)までをサポートするのが「示談代行」なのです。
💬 たとえばこんな場面で活躍
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自分の車で他人の自転車にぶつかってしまった
→ 相手のけが・治療費について話し合いが必要
→ 保険会社が代わって交渉してくれる(対人賠償) -
駐車中に他人の車にぶつけてしまった
→ 修理費や過失割合について交渉が必要
→ 保険会社が代理で示談交渉(対物賠償)
🛡 示談代行のメリット
メリット | 内容 |
---|---|
✅ 法律知識がなくても安心 | 専門知識を持つスタッフが交渉を担当 |
✅ 精神的負担が軽減される | 感情的な対立を避けられる |
✅ 適正な損害賠償が実現しやすい | 保険会社の判断に基づいた妥当な賠償額が提示される |
❗ 示談代行されないケースもある?
はい。すべての事故で保険会社が示談代行してくれるわけではありません。
▼ 示談代行の対象外になるケース
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自賠責保険の範囲内で収まる事故
例:軽いけがで120万円以下の損害 -
契約者が加害者でない事故
例:もらい事故(過失割合0%) -
保険契約の対象外
例:人身傷害保険や自損事故保険では代行不可(基本的に助言止まり)
👉 保険会社が保険金を支払う必要があるときにのみ、示談代行が行われるのが原則です。
⚖ 自賠責保険との関係
示談代行が提供されるのは、多くの場合「自賠責保険を超える損害」が発生しているときです。
保険の種類 | 補償対象 | 示談代行の有無 |
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自賠責保険 | 相手のけが(対人のみ) | ❌ 示談代行なし |
任意保険(対人・対物) | 相手のけが・モノ | ✅ 示談代行あり(条件付き) |
👩⚖️ 示談代行と弁護士費用特約の違い
示談代行:
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保険会社のスタッフが行う
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一般的な対人・対物事故に対応
弁護士費用特約:
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弁護士を立てて交渉や裁判に対応
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自分に**過失がない事故(もらい事故)**で特に有効
💡 示談代行では対応できないケースに備えて、弁護士費用特約を追加しておくのが安心です。
✅ まとめ:示談代行は事故時の心強い味方
示談代行は、交通事故などのトラブルをスムーズに解決するための保険会社の重要なサービスです。
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法律知識がなくても安心して事故対応ができる
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相手との感情的な対立を回避できる
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ただし、すべての事故で使えるわけではない
保険加入時には、「示談代行の対象条件」や「補償範囲」をしっかり確認しておくことが、いざというときの備えになります。
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