損害賠償責任とは

損害賠償責任とは?意味・発生するケース・損失補償との違いを解説

損害賠償責任(そんがいばいしょうせきにん)とは、故意または過失によって他人の身体や財産に損害を与えた場合、その損害を金銭で賠償する法的責任のことです。
これは民事上の責任
であり、刑罰を科す刑事責任とは別のものです。

損害には、物が壊れた場合の修理費などの直接的な損失だけでなく、将来得られるはずだった利益を失った「逸失利益」も含まれます。

損害賠償責任が発生する主なケース

損害賠償責任は、日常生活やビジネスのさまざまな場面で発生します。代表的な例は以下の通りです。

  1. 交通事故
    自動車の運転ミスで他人の車を壊したり、人をケガさせた場合。

  2. 日常生活での事故
    子どもが遊んでいて他人の家の窓ガラスを割った場合。
    ペットが他人にケガをさせた場合。

  3. 業務上の過失
    建築工事で誤って隣家の壁を破損させた場合。
    医療行為のミスによって患者に損害を与えた場合。

 

損害の種類

損害賠償責任で賠償すべき損害は、大きく2つに分類されます。

種類 内容 具体例
財産的損害 物の修理費や治療費、逸失利益など 壊れた車の修理費、入院中の休業損害
精神的損害(慰謝料) 精神的苦痛に対する補償 交通事故による後遺症、名誉毀損

損害賠償責任と損失補償の違い

損害賠償責任は、民間人同士や企業同士のトラブルにおける賠償責任ですが、損失補償は行政法上の制度です。

  • 損害賠償責任
    → 不法行為や過失によって発生した損害を補う(例:交通事故での修理費の支払い)

  • 損失補償
    → 行政が適法に行った行為によって発生した損害を補う(例:道路拡張工事で土地の一部が収用された場合の補償)

このように、原因や性質が異なるため、区別して理解することが重要です。

損害賠償責任をカバーする保険

万が一に備え、損害賠償責任を補償する保険があります。

  • 個人賠償責任保険(自転車事故、日常生活の事故をカバー)

  • 自動車保険の対人・対物賠償保険

  • 施設賠償責任保険・生産物賠償責任保険(企業向け)

これらの保険に加入しておくことで、予期せぬ高額な損害賠償にも対応できます。

まとめ

損害賠償責任は、故意や過失で他人に損害を与えた場合に生じる民事上の責任です。財産的損害だけでなく精神的損害も含まれ、場合によっては非常に高額になることもあります。
日常生活や業務でのリスクを考慮し、適切な保険や予防策を取ることが安心につながります。

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