**損害保険契約者保護機構(そんがいほけんけいやくしゃほごきこう)**とは、加入している損害保険会社が破綻(倒産)した場合に、契約者や被保険者を保護するために設立された公的な機構です。
保険業法に基づいて1998年に設立され、日本で営業する損害保険会社は、原則としてこの機構に会員として加入しています。
損害保険契約者保護機構の目的
保険会社が破綻すると、保険契約が突然失効してしまい、契約者が損害を被る恐れがあります。
この機構は、そうした事態から契約者を守るために次のような役割を担っています。
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破綻した保険会社の契約を引き継ぐ保険会社への支援
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保険金や満期返戻金の一部を補償
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契約の継続を可能にする措置の実施
保護の対象となる保険
損害保険契約者保護機構は、損害保険会社が取り扱うほとんどの保険を対象とします。
例としては以下のような保険が含まれます。
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自動車保険
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火災保険
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地震保険(火災保険とセット加入の場合)
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傷害保険
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海上保険 など
ただし、一部の特殊な保険や再保険契約などは対象外となる場合があります。
実際の保護内容
保護機構の支援内容は、破綻した保険会社の状況や契約内容によって異なりますが、主に以下の形で行われます。
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契約の引き継ぎ
他の損害保険会社に契約を引き継がせ、契約者が継続して補償を受けられるようにする。 -
保険金の補償割合
原則として保険金請求額の90%を上限に補償(契約条件によって変動)。
生命保険との違い
損害保険契約者保護機構が損保を対象にしているのに対し、生命保険分野には生命保険契約者保護機構があります。
生命保険会社が破綻した場合には、こちらの機構が同様に契約者保護を行います。
なぜ知っておくべきか
普段、保険会社の破綻を意識することは少ないかもしれません。
しかし、長期契約の火災保険や企業向けの大口契約では、もしもの時に備えた保護制度の存在を知っておくことが大切です。
特に中小の保険会社と契約する際は、この制度があることで安心感が増します。
まとめ
損害保険契約者保護機構は、損害保険会社が破綻した場合に契約者の権利を守るためのセーフティネットです。
「保険会社が倒産しても契約はある程度守られる」という事実を知っておくことで、安心して保険選びができます。
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