損害保険料率算出機構とは

損害保険料率算出機構とは?役割と仕組みをやさしく解説

損害保険料率算出機構は、損害保険の保険料率(参考純率や基準料率)を計算し、保険会社に提供する専門機関です。また、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の損害調査も担っています。
略称として「損保料率機構」と呼ばれることもあります。

この機構は、**「損害保険料率算出団体に関する法律」**に基づいて設立されており、日本の損害保険制度を支える重要な存在です。

設立の背景

損保料率機構は、平成14年(2002年)7月1日に業務を開始しました。
その前身となるのは以下の2つの団体です。

  • 損害保険料率算定会

  • 自動車保険料率算定会

これらが統合され、より効率的かつ公平に保険料率を算出するために新しい仕組みとして誕生しました。

主な役割

損害保険料率算出機構の主な業務は、大きく分けて次の3つです。

  1. 参考純率の算出・提供
    保険料率を決めるための基礎データ(参考純率)を計算し、会員である保険会社へ提供します。

  2. 基準料率の算出・提供
    特定の保険商品における標準的な料率(基準料率)を算出します。

  3. 自賠責保険の損害調査
    交通事故が発生した場合、自賠責保険に関する損害額の調査を行います。

 

会員制度

損害保険会社は、この機構の会員となることができます。
会員になることで、算出された参考純率や基準料率を利用でき、保険料設定の基礎データとして活用できます。

目的

損害保険料率算出機構は、次の2つを目的として活動しています。

  • 損害保険業の健全な発達
    適正な保険料率を設定することで、不当な価格競争や過剰な保険料の発生を防ぎます。

  • 保険契約者などの利益の確保
    保険料が公平かつ妥当であることを保証し、契約者の安心を守ります。

 

まとめ

損害保険料率算出機構は、日本の損害保険制度における「縁の下の力持ち」です。
私たちが支払う保険料は、この機構が算出したデータをもとに決められており、安心して保険に加入できる仕組みを支えています。

豆知識
自動車保険や火災保険の保険料も、この機構が算出する「参考純率」が大きく関係しています。

さらに参照してください:

損害保険料率算定会とは?わかりやすく解説