認定死亡とは

認定死亡(にんていしぼう)とは?失踪宣告との違いをわかりやすく解説

ニュースで大規模な火災や航空機事故などが報じられると、「遺体が確認できない方がいる」といった表現を耳にすることがあります。こうした場合に法律上の「死亡」と扱うために用いられる制度のひとつが 認定死亡(にんていしぼう) です。

この記事では、認定死亡の基本的な仕組みや、似た制度である「失踪宣告」との違いについて、初心者にもわかりやすく解説します。

認定死亡とは?

認定死亡とは、生死の確認ができない状況においても、死亡した可能性が極めて高いと判断された場合に、死亡と推定する制度です。

典型的なケースは:

  • 大規模な火災

  • 航空機事故や船舶事故

  • 地震・津波など大規模災害

などで遺体が確認できない場合です。

認定死亡とされると、官公庁の報告に基づき、戸籍簿に死亡の事実とその時期が記載されます。これにより、相続や保険金の支払いなど、法律上必要な手続きが行えるようになります。

認定死亡と失踪宣告の違い

認定死亡とよく比較されるのが 失踪宣告 です。両者の違いを整理すると以下の通りです。

項目 認定死亡 失踪宣告
手続き主体 官公庁の報告に基づく 家庭裁判所が審判
適用されるケース 災害・事故などで死亡が強く推定される場合 長期間行方不明になっている場合
効力の覆し方 生存の証拠が出れば覆る 失踪宣告の取消手続きを行う必要あり
主な目的 事故・災害に伴う迅速な法的処理 長期不在者の法律関係の安定化

例えば:

  • 認定死亡 … 航空機事故で遺体が見つからない場合、死亡の蓋然性が高いため適用。

  • 失踪宣告 … 行方不明になって7年(または危難失踪で1年)経過した人に対し、利害関係人が家庭裁判所に申し立てる。

このように、認定死亡は「特定の事故・災害に基づく死亡の推定」、**失踪宣告は「長期不明者を法律上死亡とみなす制度」**という点が大きな違いです。

認定死亡が使われる場面

認定死亡が用いられるのは、主に次のようなケースです。

  • 相続手続き(相続人の確定)

  • 生命保険金や死亡退職金の請求

  • 配偶者の戸籍や扶養関係の整理

もし認定死亡がなければ、遺族が生活や手続きを進められず、困難を抱えることになります。そのため、この制度は被災者や事故の遺族を守るために大切な役割を果たしています。

まとめ

認定死亡とは、遺体が確認できない状況でも死亡の可能性が極めて高い場合に、法律上「死亡」と扱う制度です。

  • 火災・事故・災害でよく用いられる

  • 戸籍簿に死亡の事実が記載され、法的手続きが可能になる

  • 「失踪宣告」とは手続きや効力の覆し方が異なる

法律上の制度としては専門的に見えますが、実際には大規模災害や事故に遭った遺族が、生活や権利を守るために必要となる大切な仕組みです。

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