「年金手帳(ねんきんてちょう)」は、公的年金制度に加入したことを証明するために交付される手帳です。
年金に関する手続きや記録の管理に欠かせないもので、かつてはすべての年金加入者に必ず交付されていました。
この記事では、年金手帳の役割・基礎年金番号との関係・制度改正の流れ・必要となるシーン・紛失時の対応について、わかりやすく解説します。
年金手帳とは?
年金手帳とは、国民年金や厚生年金などの公的年金に加入していることを証明する手帳です。
手帳には本人の氏名や生年月日、そして最も重要な「基礎年金番号」が記載されています。
この基礎年金番号をもとに、日本年金機構が年金加入記録を一元管理する仕組みになっています。
年金手帳の役割
年金手帳の主な役割は以下のとおりです。
-
公的年金制度の被保険者であることの証明
-
基礎年金番号の確認(年金加入記録の管理番号)
-
年金に関する手続きや問い合わせの際の必要書類
たとえば、会社に就職して厚生年金に加入する場合、または転職時の年金手続きなどで、年金手帳の提示を求められるケースがありました。
基礎年金番号との関係
-
基礎年金番号は、一人ひとりに割り当てられる「年金加入の管理番号」です。
-
原則として生涯にわたり同じ番号が使われます。
-
平成9年(1997年)1月から基礎年金番号制度が導入され、すべての年金制度に共通する番号として統一されました。
つまり、年金手帳は「基礎年金番号が記載された証明書」としての役割を持っていたといえます。
制度改正による変化
かつてはすべての被保険者に年金手帳が交付されていましたが、制度改正により大きな変化がありました。
-
2022年4月以降は、新たに年金手帳は交付されなくなりました。
-
代わりに「基礎年金番号通知書」が交付され、年金手帳と同じ役割を果たします。
つまり、現在では年金手帳は新規に発行されず、過去に交付されたものを保管している方だけが手元に持っている形となっています。
年金手帳が必要となるシーン
現在では年金手帳を使う機会は減りましたが、過去に交付を受けた方は以下のような場面で利用することがありました。
-
転職時の年金加入手続き
-
年金請求や各種変更手続き
-
年金に関する問い合わせの際に基礎年金番号を確認する場合
年金手帳を紛失した場合の対応
もし年金手帳を紛失してしまっても心配はいりません。
-
最寄りの年金事務所にて「基礎年金番号通知書」の再交付を申請可能
-
申請には本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)が必要
-
すでに年金手帳そのものは発行されないため、再発行されるのは「基礎年金番号通知書」となります
まとめ
-
年金手帳とは、公的年金の加入を証明し、基礎年金番号を確認できる手帳
-
平成9年から基礎年金番号制度が導入され、年金記録が一元管理されるようになった
-
2022年以降は新規発行がなくなり、代わりに「基礎年金番号通知書」が交付される
-
紛失時は年金事務所で通知書を再交付できる
さらに参照してください: