生命保険会社の業績や規模を表す言葉のひとつに「保有契約高(ほゆうけいやくだか)」があります。
一見すると「保険料の総額」のように思えるかもしれませんが、実はまったく別の指標です。
この記事では、初心者の方にもわかりやすく「保有契約高」の意味や注意点を解説していきます。
保有契約高の基本的な意味
保有契約高とは、保険会社が契約者に対して保障している金額の総合計額をいいます。
生命保険の場合、これは「保険会社が保有するすべての契約における死亡保険金額の合計」を意味します。
保険料収入との違いに注意
保有契約高はよく「保険料の合計」と混同されやすいですが、両者は異なります。
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保有契約高:将来的に保険会社が支払う可能性のある「保障金額の合計」
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保険料収入:契約者から実際に払い込まれた「保険料の合計」
つまり、保有契約高は「会社がどれだけ大きな保障を抱えているか」を示す指標であり、売上や収益そのものを示す数字ではありません。
具体例でイメージ
例えば、ある保険会社が以下の3件の契約を持っているとします。
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Aさん:死亡保険金 1,000万円
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Bさん:死亡保険金 2,000万円
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Cさん:死亡保険金 3,000万円
この場合の保有契約高は合計6,000万円となります。
一方、AさんやBさんが毎月支払っている保険料を足し合わせた金額は「保険料収入」として別に計上されます。
保有契約高の位置づけの変化
以前は、保有契約高が生命保険会社の規模や安定性を示す基本的な業績指標とされていました。
しかし、近年は以下の理由でその重要性がやや低下しています。
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医療保険やがん保険など、「死亡保険金がない商品」が増えている
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保障内容が多様化し、単純に死亡保険金の合計だけでは会社の実力を測りにくくなった
そのため現在では、新契約高や保有契約件数、さらに収益やソルベンシー・マージン比率といった財務指標とあわせて分析されることが一般的です。
まとめ
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保有契約高とは、保険会社が契約者に保障している金額の総合計額。
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「保険料収入」とは異なり、あくまで将来的な支払い責任の規模を示す。
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かつては保険会社の業績を測る主要な指標だったが、近年は保障内容の多様化により単独では用いられにくい。
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