「日本に住んでいる人は、誰でも年金に入らなければならない」――これはよく耳にする言葉ですが、その仕組みを正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。
この記事では、日本の公的年金制度の基本である 国民皆年金(こくみんかいねんきん) について、初心者にもわかりやすく解説します。
国民皆年金とは?
国民皆年金とは、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が、公的年金制度に加入する仕組みのことをいいます。
会社員、公務員、自営業者、専業主婦(主夫)、学生、フリーターなど、職業の有無に関係なく必ず年金制度に加入することになります。
つまり、日本では「誰もが老後の生活に備える」仕組みが法律で整えられているのです。
なぜ国民皆年金が必要なのか?
国民皆年金の目的は、簡単にいえば 「老後の安心を社会全体で支える」 ことです。
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自分の老後資金を個人で全額準備するのは難しい
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病気や失業など、将来のリスクは誰にでも起こりうる
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社会全体で支え合うことで、生活の安定が保たれる
こうした考え方に基づき、すべての国民が制度に加入することで「安定した保険集団」ができあがり、みんなでリスクを分かち合うことが可能になります。
国民皆年金の具体的な仕組み
日本の公的年金は、大きく分けて 3つの制度 で構成されています。
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国民年金(基礎年金)
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自営業者や学生、フリーターなどが加入
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20歳~60歳のすべての人が対象
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厚生年金保険
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会社員や公務員が加入
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給与に応じて保険料を負担
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共済年金(※現在は厚生年金に統合)
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かつては公務員向けだったが、現在は厚生年金に一本化
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このように職業や立場によって加入する制度は異なりますが、全員が「基礎年金」を受け取ることができます。
具体的な例で考えてみましょう
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会社員のAさん(35歳)
→ 厚生年金に加入。給与に応じて保険料を負担し、将来は基礎年金+厚生年金を受け取れる。 -
自営業のBさん(40歳)
→ 国民年金に加入。定額の保険料を支払い、将来は基礎年金を受け取れる。 -
学生のCさん(22歳)
→ 国民年金に加入。所得が少ない場合は「学生納付特例制度」で保険料の納付を猶予できる。
このように、立場によって加入方法や将来受け取る金額は異なりますが、「全員が制度に参加する」ことに意味があるのです。
国民皆年金のメリット
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誰でも一定の老後収入を確保できる
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病気や障害などのリスクにも備えられる
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遺族の生活を守る制度もある
つまり、国民皆年金は「老後の生活資金」だけでなく、「万が一の生活保障」にもつながっています。
まとめ
日本の公的年金制度の基本である「国民皆年金」は、20歳以上60歳未満のすべての人が加入する仕組みです。
これによって社会全体で安定した保険集団を作り、老後の生活や予期せぬリスクに備えることができます。
年金は「将来の安心のための社会保険」。
制度を正しく理解し、自分のライフスタイルにあわせた準備を進めていきましょう。
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