被用者年金とは

被用者年金とは?厚生年金との違いや一元化のポイントをわかりやすく解説

「被用者年金って厚生年金と同じなの?」
「共済年金との違いはどうなったの?」

年金制度には専門用語が多く、ニュースや年金定期便で出てくる言葉に戸惑う方も少なくありません。その中でも「被用者年金」は、公的年金制度を理解するうえで欠かせない用語です。

この記事では、年金の専門家の立場から 被用者年金の意味・仕組み・厚生年金との関係・制度改正(被用者年金一元化) を初心者にもわかりやすく解説します。

被用者年金とは?

被用者年金とは、公的年金制度の中で 会社員や公務員など、雇用されて働く人が加入する年金制度 を指します。

  • かつては「厚生年金保険」と「共済年金」に分かれていた

  • 2015年(平成27年)10月1日から「被用者年金一元化法」により 厚生年金保険に統一 された

  • 自営業者などが加入する国民年金とは異なり、報酬比例の年金が支給される

つまり、被用者年金は「基礎年金(国民年金)」に加えて、給与に応じた上乗せ部分(報酬比例年金)がもらえる制度です。

被用者年金の仕組み

1. 基礎年金(国民年金)

すべての20歳以上60歳未満の人が加入。老齢基礎年金として支給されます。

2. 報酬比例部分

被用者年金に加入すると、給与や賞与に応じて年金額が決まる「報酬比例部分」が上乗せされます。

👉 例:会社員Aさんの場合

  • 20歳~60歳までずっと厚生年金に加入

  • 老後は「老齢基礎年金」+「報酬比例の老齢厚生年金」を受給

 

被用者年金一元化とは?

2015年10月に施行された「被用者年金一元化法」により、以下の変更がありました。

  • 厚生年金保険と共済年金(国家公務員・地方公務員・私学教職員)が 厚生年金保険に統一

  • これにより、公務員も会社員も 同じ制度のもとで年金を受け取る ことになった

  • 給付や保険料の計算方法が一本化され、公平性が高まった

 

被用者年金と厚生年金の違いは?

現在では 被用者年金 = 厚生年金 です。
ただし、歴史的には「被用者年金」という言葉が「厚生年金+共済年金」をまとめて指していたため、年金関連の資料や解説では今でも用いられることがあります。

まとめ

被用者年金とは、会社員や公務員など雇用されて働く人が加入する年金制度 のことです。
2015年の制度改正で厚生年金に一本化され、現在ではすべて「厚生年金」として運用されています。

  • 被用者年金は基礎年金に上乗せして報酬比例年金を受け取れる制度

  • かつては厚生年金と共済年金に分かれていたが、2015年に一元化

  • 現在は「被用者年金=厚生年金」と理解して問題ない

さらに参照してください:

標準賞与額とは?計算方法と社会保険料への影響をわかりやすく解説