一時所得とは

【一時所得とは】計算方法・具体例・特別控除までわかりやすく解説

確定申告や税金の話題で出てくる「一時所得(いちじしょとく)」。
「一時所得って宝くじの当たり金?」「保険金も含まれるの?」「どうやって計算するの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、一時所得の意味・具体例・計算方法・特別控除の注意点まで、初心者にもわかりやすく解説します。

一時所得とは?

一時所得とは、事業や労働と直接関係なく、一時的に得られた所得のことを指します。

継続的な取引や労務の対価は一時所得に含まれません。
あくまで「偶発的」「一時的」に発生する収入が対象です。

一時所得の具体例

一時所得に該当する代表的なケースは以下の通りです。

  • 競馬・競輪・競艇などの払戻金

  • 懸賞やキャンペーンでもらった賞金・景品

  • 生命保険の一時金(満期保険金・解約返戻金など)

  • 損害保険の満期返戻金

  • 宝くじの当せん金(※非課税のため申告不要ですが、制度上は一時的な所得のイメージに近い)

💡 ポイント:給与や事業のように「働いた対価」ではなく、臨時的に得た収入が対象になります。

一時所得の計算方法

一時所得は次の計算式で求めます。

一時所得 = 総収入金額 - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除額(最高50万円)

さらに、算出した金額は「1/2にする」と法律で定められています。
つまり、税金計算に使われるのは 実際の利益の半分 になる点が特徴です。

計算例:保険の満期金を受け取った場合

例:満期保険金で 100万円 を受け取り、支払った保険料が 60万円 のケース。

  1. 総収入:100万円

  2. 必要経費:60万円(支払った保険料)

  3. 特別控除:50万円

計算すると、
100万円 - 60万円 - 50万円 = ▲10万円(マイナス)

この場合は控除で差し引きゼロとなるため、課税対象なし です。

特別控除額(50万円)の注意点

一時所得には「特別控除額 50万円」が設けられています。
ただし、次の点に注意が必要です。

  • 一時所得全体で50万円まで(取引ごとに50万円ずつではない)

  • 複数の一時所得がある場合は合算してから50万円を差し引く

  • 控除後にプラスが出た場合のみ課税対象となる

 

一時所得と他の所得との違い

  • 給与所得:働いた対価として得る収入

  • 事業所得:継続的な事業からの収入

  • 譲渡所得:不動産や株式など資産を売却して得た収入

  • 一時所得:懸賞金や保険金など偶発的な収入

このように、税法上の所得区分は明確に分けられています。

まとめ

「一時所得」とは、一時的に得られる収入に対して課税される所得区分です。

✅ 競馬・懸賞・保険金などが対象
✅ 特別控除は一時所得全体で50万円まで
✅ 計算後はさらに1/2にするため、実際の課税は軽め
✅ 複数の一時所得がある場合は合算して申告が必要

確定申告をするときに「これって一時所得かな?」と迷った場合は、継続的な収入かどうか、本業と関係するかどうかを基準に考えると判断しやすいでしょう。

さらに参照してください:

【売上総利益(粗利益)とは】計算方法や営業利益との違いをわかりやすく解説