申告納税額とは

申告納税額とは?わかりやすく解説|納付方法と申告が必要な人

「申告納税額」という言葉を聞いたことはあっても、実際にどのような意味なのか、また自分に関係があるのか分からないという方は多いかもしれません。特に会社員の方は、給与から自動的に税金が天引きされているため、あまり意識する機会がないでしょう。

この記事では、申告納税額の基本的な仕組みから、納税の方法・対象となる人まで、税務の専門家として分かりやすく解説します。

1. 申告納税額とは?

申告納税額とは、納税者自身が所得などに基づいて税額を計算し、申告して納める税金のことです。
このように「自ら計算して納める」仕組みを 申告納税制度 と呼びます。

たとえば所得税や法人税などがこれに該当し、国や自治体が金額を決める「賦課課税方式(例:固定資産税)」とは異なります。

申告納税制度の特徴

  • 納税者が自分で税額を計算・申告する

  • 税法を理解し、正しく手続きする責任がある

  • 確定申告の期限(通常は翌年2月16日〜3月15日)を守る必要がある

もし期限を過ぎてしまうと、加算税延滞税 が課される場合があります。

また、すでに給与から源泉徴収や予定納税で税金を前払いしている場合は、その差額が申告納税額として確定します。

2. 申告納税額の納付方法

税金の納付方法にはいくつかの選択肢があり、ライフスタイルに合わせて選べます。

(1)税務署・金融機関の窓口で納付

最も一般的な方法で、納付書を使って現金で支払います。
メリット: 手数料不要
デメリット: 平日日中しか手続きできず、窓口に出向く必要がある

(2)コンビニ納付

QRコード付きの納付書を使えば、コンビニで支払いが可能です。
メリット: 買い物のついでに納付できる
デメリット: 30万円までの支払い上限あり、クレジットカード不可

(3)クレジットカード払い

自宅でオンライン決済が可能です。
メリット: 24時間いつでも納付できる、分割払い対応
デメリット: 決済手数料が発生、領収書が発行されない

(4)口座振替(自動引き落とし)

口座を登録すれば、自動で納税額が引き落とされます。
メリット: 手数料不要・納付忘れ防止・翌年以降も自動化可能
デメリット: 口座登録が必要・残高不足だと延滞税のリスクあり

(5)ペイジー(Pay-easy)納付

パソコンやスマホ、ATMなどから支払える電子納付方法です。
メリット: 自宅で完結、手数料不要
デメリット: 事前登録が必要・e-Tax操作に慣れていないと難しい

3. 申告納税が必要な人

申告納税制度が適用される主な税金の中でも、特に身近なのが所得税です。
以下のような方は確定申告を行い、申告納税をする必要があります。

(1)給与所得者(会社員)

通常は年末調整で精算されるため不要ですが、以下に該当する場合は確定申告が必要です。

  • 年収2,000万円超

  • 給与以外の所得が20万円超

  • 同族会社から賃貸料・利子などの支払いを受けた場合

(2)退職所得者

退職金を受け取る際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合、源泉徴収された税金が多すぎることがあります。
確定申告を行えば、還付金を受け取れる可能性があります。

(3)事業所得者(個人事業主・フリーランス)

原則として確定申告が必要です。
事業所得が基礎控除(48万円)を超えなければ税金はかかりませんが、青色申告の場合は赤字の繰越控除などのメリットがあります。

(4)不動産所得者

家賃収入などがある場合は申告が必要です。給与所得者で副業として不動産投資を行っている場合、年間20万円を超える所得があれば確定申告を行います。

(5)株式や配当所得者

株式の売却益や配当収入がある人も対象です。
特定口座(源泉徴収あり)を利用していれば申告不要ですが、損失の繰越控除や損益通算を行いたい場合は確定申告をした方が有利です。

(6)譲渡所得者

不動産・車・貴金属などの資産を売却して利益を得た場合も申告対象です。
所得の種類に応じて計算方法や控除が異なるため、注意が必要です。

4. まとめ:申告納税額を正しく理解しよう

申告納税は、「自分で計算し、自分で納める」制度です。
一見難しそうに感じますが、仕組みを理解すれば納税の流れはシンプルです。

  • 所得や控除を把握して正しく申告する

  • 納付期限を守る

  • 自分に合った納付方法を選ぶ

これらを意識することで、税金を過不足なく納め、無駄な延滞税などを防ぐことができます。
もし自分が申告対象か迷う場合は、税理士や専門家に相談するのも安心です。

さらに参照してください:

確定申告とは?初心者でもわかる書き方とケース別記入例