車検のたびに支払う税金の中で「これ何の税金だっけ?」と疑問に思われがちなのが「重量税」。
自動車にかかる税金はいくつもあるので、混乱してしまう人も多いですが、重量税の仕組みを理解しておくと、車検費用の内訳もスッと理解できるようになります。
この記事では、重量税の基本、課税対象、支払うタイミング、還付制度、そしてエコカー減税との関係まで、実務経験にもとづいてわかりやすく解説します。
重量税とは?基本の考え方
重量税とは、自動車の重量に応じて課税される国税のことです。
対象となるのは次の2種類。
・検査自動車(一般的な自家用車や事業用車)
・届出軽自動車
特に自家用乗用車の場合、車両重量0.5トンごとに税額が上がる仕組みになっています。
つまり「重い車ほど税金が高くなる」という構造ですね。
自動車税(種別割)や自動車税(環境性能割)と混同されがちですが、重量税は「車検の際に払う国の税金」という点が特徴です。
誰が納税するの?
納税義務者として扱われるのは、次のいずれかに該当する人。
・自動車検査証(車検証)の交付を受ける人
・車両番号の指定を受ける人(新規登録時)
実務では、車検業者が代行して納付するため、個人が直接税務署に行くことはありません。
重量税を支払うタイミング
重量税を支払うタイミングは2つだけです。
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新規登録する時
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車検を受ける時(継続検査)
車検証に記載されている「車両重量」と、以下の区分により具体的な税額が決まります。
・重量(0.5トン刻み)
・初度登録からの経過年数
・排出ガス性能や燃費性能(エコカー減税の対象かどうか)
重量税はあくまで「車検の有効期間に対して前払いする」税金なので、通常は2年分、事業用は1年分をまとめて納税します。
重量税の還付制度とは?
重量税には「還付制度」があります。これは制度を知らないまま損をしている人も多い部分です。
車検の有効期間が残っている状態で廃車(使用済み)となり、かつ
自動車リサイクル法に基づいて適切に処理された場合に限り、車検の残期間に対応する重量税が返金されます。
例えば
・車検を受けてまだ1年残っている
・事故や故障により廃車になった
こうしたケースでは還付の対象となります。
中古車として売却した場合は廃車ではないため、還付はありません。
エコカー減税との関係
重量税は、環境性能の高い車に対して税額が軽減される仕組みがあります。それが「エコカー減税」です。
・排出ガス性能に優れている
・燃費基準を満たしている
このどちらか、または両方を満たすと、以下の優遇が受けられます。
・重量税が免税
・重量税が軽減(減税)
ハイブリッド車、EV、低燃費ガソリン車などは特に恩恵が大きいです。
初心者向けまとめ
ここまでの内容をコンパクトに整理すると、重量税は次の通りです。
・車の重量に応じて課税される国税
・車検と新規登録の時に支払う
・車が重いほど税金が上がる仕組み
・車検期間中に廃車すれば「還付」が受けられることがある
・エコカーは免税または減税になる場合がある
車検費用の見通しを立てるうえでも、重量税の仕組みを押さえておくと安心ですよ。
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