企業や個人事業主が日々の業務で使う通信手段には、実はいろいろな費用が含まれます。
電話やインターネットだけでなく、郵便物の発送やクラウドサービス利用料も通信費に該当します。
この記事では、通信費として処理できる範囲や注意点、そして実務で使える仕訳例をわかりやすくまとめます。
通信費とは
通信費とは、業務に必要な通信手段の利用にかかった費用を計上する勘定科目です。電話、郵便、インターネット、テレビ受信料、有線放送など、多くの費用が含まれます。利用頻度が高い科目なので、どこまで通信費に含めるかを正しく理解しておくことが大切です。
通信費に該当する主な費用
1. 電話関連の費用
仕事で使用する固定電話や携帯電話の通話料、FAX送信料、電報代など。
私用と兼用の場合は、業務割合に応じた按分処理が必要です。
2. 郵便・宅配関係の費用
切手代、ハガキ代、郵送費、宅配便・メール便・バイク便の利用料など。
切手は「購入時は貯蔵品、使用時に通信費」になる点が要注意。
3. インターネット関連費用
ネット回線使用料、契約時の初期費用、クラウドサービス利用料、サーバー代など。
事業用と私用が混ざる場合は按分の対象。
4. テレビ関連費用
オフィスや店舗のテレビの受信料、ケーブルテレビの費用。
5. 有線放送の費用
店舗BGMとして利用する有線放送の利用料、工事費など。
通信費の仕訳例
携帯電話料金を支払った場合
(例)3月分携帯電話料金10,000円を口座引き落としで支払い
借方:通信費 10,000円
貸方:普通預金 10,000円
切手を購入し、後で未使用分を計上する場合
(切手購入)
借方:通信費 770円/仮払消費税 70円
貸方:現金 840円
(未使用分の振替)
借方:貯蔵品 168円
貸方:通信費 154円/仮払消費税 14円
インターネット料金(按分あり)
(例)使用料10,000円のうち、業務80%・私用20%
借方:通信費 8,000円
借方:事業主貸 2,000円
貸方:普通預金 10,000円
テレビ受信料
借方:通信費 1,500円
貸方:普通預金 1,500円
有線放送利用料
借方:通信費 5,000円
貸方:普通預金 5,000円
個人事業主は通信費を経費にできる?
もちろん可能です。ただし「業務で使った部分だけ」が経費になります。
家事按分の比率は、実際の利用状況に基づいて客観的に説明できることが重要。
業務割合が多ければ7~8割、ほぼ半々なら5割、プライベート多めなら2割程度が一般的な目安です。
まとめ
通信費は幅広い費用をカバーする便利な勘定科目です。
業務利用分だけを正しく計上し、按分が必要な場合は根拠を明確にしておきましょう。
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