企業や個人事業主が商品を販売する際、避けて通れないのが「発送費(はっそうひ)」です。
宅急便代や梱包資材費など、発送に関わるさまざまな費用はどのように会計処理すればよいのでしょうか?
この記事では、発送費の基本的な考え方から勘定科目、仕訳のポイントまで、初心者にもわかりやすく解説します。
発送費とは?意味と範囲をやさしく説明
発送費とは、商品や製品を発送・運搬する際にかかる費用のことを指します。
一般的には、次のような費用が含まれます。
-
宅急便・郵送・小包などの 運賃
-
梱包に使用する ダンボール・テープ・緩衝材などの資材費
-
荷造りを行うための 人件費
-
配送車両の ガソリン代・減価償却費
これらはすべて、販売や出荷のために直接必要な費用であり、「発送費」として販売費および一般管理費(販管費)に分類されます。
発送費の勘定科目と会計処理
発送費は、通常次のような勘定科目で処理されます。
| 勘定科目 | 主な内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 発送費 | 宅急便・郵便料金などの運賃 | 商品発送に直接関係する費用 |
| 荷造運賃 | 梱包費+発送費をまとめて処理 | 少額の費用を一括管理する場合に便利 |
| 荷造費 | テープ・ひも・包装紙などの資材費 | 消耗品費として処理する場合もあり |
| 支払運賃 | 外部業者への運送委託費など | 輸送業者へ支払う際に使用 |
中小企業では、細かく分けるよりも 「荷造運賃」や「発送費」としてまとめて計上するケースが多いです。
発送費の仕訳例
発送費を実際に仕訳する際は、費用発生のタイミングに応じて次のように処理します。
例①:宅急便代を現金で支払った場合
例②:仕入商品の運搬費を後払いする場合
例③:梱包資材をまとめて購入した場合
梱包用資材の購入は、発送費として処理しても構いませんが、日常的に使う場合は「消耗品費」として処理する方が実務的です。
発送費に含まれる具体的な費用例
発送費として計上できるものには、次のようなものがあります。
-
ダンボール、ガムテープ、ひも、包装紙、発泡スチロール
-
配送時の人件費(アルバイトや派遣スタッフへの賃金)
-
配送車両のガソリン代・車検費用の一部
-
トラック、船舶、鉄道、航空便などの運賃
-
外部運送業者への支払い
発送に直接関係しない費用(例:営業用の移動交通費など)は「旅費交通費」などの別科目で処理します。
発送費を抑えるための工夫
発送費は販売活動に欠かせない経費ですが、コスト削減の工夫次第で利益率に大きく影響します。
例えば以下のような対策が考えられます。
-
複数配送業者の料金を比較して最適化
-
ダンボールや緩衝材を再利用
-
発送スケジュールをまとめて配送コストを削減
-
ECサイトや取引先との送料交渉を行う
こうした工夫により、発送費を適正化しながら経営効率を高めることができます。
まとめ:発送費は販売活動を支える重要な経費
-
発送費とは、商品の発送や運搬にかかる費用の総称
-
ダンボール代・人件費・運賃など幅広い費用を含む
-
勘定科目は「発送費」「荷造運賃」「消耗品費」などで処理
-
コスト削減策を取り入れることで利益改善にもつながる
発送費は単なる経費ではなく、顧客満足度と経営効率の両方に関わる重要な要素です。
正確な会計処理とコスト管理によって、企業の信頼性と利益体質を高めていきましょう。
さらに参照してください:

