企業の経理や会計でよく登場する「備品消耗品費」。なんとなく「小さい備品に使う経費」というイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか?
この記事では、備品消耗品費の基本的な考え方・固定資産との違い・仕訳のポイントを、初心者にもわかりやすく解説します。
備品消耗品費とは?
備品消耗品費とは、会社の営業活動に使用する消耗品のうち、耐用年数が1年未満、または金額的に固定資産として扱うほどではないものを購入するための費用を指します。
たとえば以下のような支出が該当します:
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事務用の文房具(ボールペン、ファイルなど)
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少額の工具・器具
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10万円未満の小型プリンターや電子機器
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社用車用の備品(カーマット、ドライブレコーダーなど)
こうした「すぐに使い切る」「少額」「消耗する」備品にかかる支出をまとめて管理するのが、備品消耗品費の目的です。
固定資産との違い
備品消耗品費と混同されやすいのが「固定資産」です。
両者の区別は金額と耐用年数によって判断されます。
| 区分 | 金額基準 | 耐用年数 | 会計処理 |
|---|---|---|---|
| 備品消耗品費 | 10万円未満 | 1年未満 | 経費として一括計上 |
| 少額減価償却資産 | 10万円以上20万円未満 | 1年以上 | 一括償却資産として3年で償却可能 |
| 固定資産 | 20万円以上、または1年以上使用 | 減価償却を行う |
つまり、10万円未満または1年未満で使い切る備品であれば、経費(備品消耗品費)として処理するのが原則です。
備品消耗品費の仕訳例
たとえば、会社で新しいデスクチェアを購入した場合を考えてみましょう。
例1:10万円未満のデスクチェア(経費処理)
→ この場合は経費(販管費)として一括計上できます。
例2:20万円のデスクチェア(固定資産処理)
→ 固定資産として計上し、耐用年数に応じて減価償却が必要になります。
経理上の注意点
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まとめ買いに注意
1つ1つは少額でも、同一目的・同一期間に複数まとめて購入すると、合計額で固定資産とみなされるケースもあります。 -
耐用年数を意識する
1年以上使う設備・機器は、金額が小さくても原則として固定資産に分類されることがあります。 -
勘定科目の一貫性を保つ
年度によって処理方法が異なると、税務上の指摘を受ける可能性があるため、社内でルールを統一しておきましょう。
まとめ
備品消耗品費は、「短期間で消耗する少額の備品費用」を経費として処理するための重要な勘定科目です。
正しく区分・仕訳することで、会計処理が明確になり、税務上のリスクも減らすことができます。
企業の規模が大きくなるほど、備品管理の正確性が求められます。経理担当者は、金額基準と耐用年数のルールをしっかり押さえておくことが大切です。
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