クレジットカード業界には、一般の利用者には聞き慣れない専門用語が多数あります。
そのひとつが「スペシャルライセンシー」です。Visaカードに関わる企業の仕組みを理解するうえで重要な概念ですが、情報が少なく初心者にはイメージしにくい言葉でもあります。
この記事では、専門家の視点からわかりやすく解説します。
スペシャルライセンシーとは?
スペシャルライセンシー(Special Licensee)とは、Visaの正式メンバーではないものの、Visaカードのプログラムに参加する権利を与えられた企業 を指します。
通常、Visaカードを発行したり加盟店向けのサービスを提供するには、Visaのライセンスを持つメンバー(会員)である必要があります。しかし、すべての企業がフルメンバーとして参加するわけではありません。そこで登場するのが スペシャルライセンシー制度 です。
この制度により、正式メンバーでなくても Visaネットワークの一部機能を利用し、カード発行や決済サービスを行うことが可能になります。
スペシャルライセンシーが必要とされる理由
企業がスペシャルライセンシーとして参加する背景には、いくつかの実務的な理由があります。
1. フルメンバーになるためのハードルが高い
Visaの正式メンバーになるには、資本要件やシステム要件など厳しい基準を満たす必要があります。中小規模の企業では難しい場合が多く、その代替としてスペシャルライセンシー制度が活用されます。
2. 自社サービスとVisaブランドの両立
金融系企業以外でも、独自サービスと連携したクレジットカードを発行したいケースがあります。
例:
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小売企業
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通信会社
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共通ポイントサービス企業
これらの企業が、正式メンバーにならずにVisaブランドのカード事業を展開できる仕組みとしてスペシャルライセンシーが有効です。
3. ランニングコストの抑制
正式メンバーよりも負担が軽く、必要な機能だけ利用できるため、初期投資や運用コストを抑えながら Visaカード事業を展開できます。
実際のスキーム:スペシャルライセンシーとメンバーの関係
スペシャルライセンシーがカード発行を行う場合、多くは Visa正式メンバーであるスポンサー企業(イシュアー) と契約を結び、次のような役割分担になります。
スペシャルライセンシー
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カードデザイン
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付帯サービス設計
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会員向けマーケティング
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一部の顧客対応
スポンサー(Visa正式メンバー)
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Visaネットワークとの接続
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決済処理
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審査業務
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不正利用対策
この仕組みにより、専門性の高い決済処理はメンバー企業が担い、マーケティングに強い企業は自社ブランドカードを発行できるというメリットがあります。
消費者にとってのメリット・デメリット
メリット
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多様な企業から、魅力的な特典付きVisaカードを選べる
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ポイントプログラムや付帯サービスが個性豊か
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大手メンバー企業の審査・決済基盤を利用しているため安心感が高い
デメリット
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カードの裏側で関わる企業が多く、問い合わせ窓口がわかりにくい場合がある
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一部サービスはスポンサー企業の規定に左右される
まとめ
スペシャルライセンシーとは、Visaの正式メンバーではないものの、Visaカードプログラムに参加する許可を受けた企業 のことです。この制度によって、より多くの企業が多様な Visaカードを提供でき、消費者にとっても選択肢が広がっています。
Visaカードの仕組みを理解しておくと、自分に合ったカード選びやトラブル対応がスムーズになります。カードの選び方や仕組みについてさらに知りたい場合は、お気軽にご相談ください。
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