銀聯(ぎんれん、UnionPay)は、中国を代表する銀行間決済ネットワークであり、世界最大級の決済ブランドのひとつです。
中国国内ではクレジットカード・デビットカードの主要ブランドとして圧倒的シェアを持ち、海外旅行者や越境ECの利用増加に伴い、日本でも広く利用されるようになっています。
この記事では、日本の決済専門家として、銀聯とは何か・どんな仕組みなのか・VisaやMastercardとの違いを初心者向けにやさしく解説します。
銀聯(ぎんれん)とは?(基本の意味)
銀聯とは、中国人民銀行(中央銀行)の主導で2002年に設立された銀行間決済ネットワークの名称です。
運営主体は「中国銀聯(China UnionPay)」で、クレジットカード・デビットカードのブランドとして世界中で利用されています。
▼ 銀聯カードが使われる主な場面
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中国人旅行者のショッピング・飲食
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中国向け越境EC(アパレル、家電、コスメなど)
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日本の商業施設・ホテル・通販サイト
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中国在住者の海外決済
特にインバウンド需要の増加により、日本国内の加盟店も急速に増えています。
銀聯カードの仕組み|どうやって決済される?
銀聯カードは、VisaやMastercardと同様、
「ブランド」+「銀行発行カード」 の組み合わせで成立しています。
▼ 決済の流れ(基本)
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カード利用者が店頭やオンラインで支払い
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加盟店の端末が銀聯ネットワークと通信
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発行銀行が利用者の残高・信用枠を確認
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承認が下りれば決済完了
銀聯は中国国内の銀行を強く結びつけるネットワークであり、特にデビットカード(借記カード)の普及率が高い点が特徴です。
銀聯の特徴|他ブランドとの違い
1. 中国国内で圧倒的なシェア
中国で発行されるカードのほとんどが銀聯ブランド。
そのため、中国人旅行者=銀聯カードユーザーと言っても過言ではありません。
2. セキュリティの高さ
銀聯は、
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PINコードの必須入力
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ICチップ決済の推進
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厳格な不正検知システム
などを採用しており、不正利用対策に強いブランドとして知られています。
3. デビットカード利用が非常に多い
クレジットよりデビットが主流で、海外でも銀聯デビットでホテルやショッピングが可能。
4. 日本の加盟店でも急速に普及
百貨店、家電量販店、ドラッグストア、空港施設など、インバウンド需要の大きい業界を中心に導入が進んでいます。
銀聯カードが使える場所(日本)
日本国内では、次のような場所で広く使用できます。
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百貨店(高島屋、大丸など)
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家電量販店(ビックカメラ、ヨドバシなど)
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免税店
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ホテル・宿泊施設
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交通機関
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観光地関連の売店
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ECサイト(越境EC含む)
特にインバウンド対策を重視する店舗では必須の決済手段です。
銀聯を導入するメリット(店舗向け)
決済専門家として、店舗が銀聯を採用するメリットは次のとおりです。
1. 中国人観光客の売上アップ
インバウンド市場では中国人旅行者の消費額が非常に大きく、銀聯対応は売上機会を直接増やします。
2. 高額決済に強い
銀聯カード利用者は、家電や宝飾品などの高額購入が多い傾向があります。
3. 加盟店手数料が比較的安定
ブランドにより上下する国際ブランド系より、一定の手数料率で扱えるケースが多い。
銀聯カード利用の注意点(利用者向け)
✔ サインよりPIN入力が求められる
銀聯はPIN重視のため、4〜6桁の暗証番号を覚えておく必要あり。
✔ 一部店舗では利用できない場合もある
ECサイトや小規模店舗では非対応の場合も。
✔ 海外利用時は為替レートを確認
ブランドにより換算レートが異なるため、事前確認が安心。
まとめ|銀聯(ぎんれん)とは「中国最大の決済インフラ」
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銀聯とは、中国人民銀行主導で設立された中国最大の決済ネットワーク
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クレジットカード・デビットカードのブランドとして世界中で利用される
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PIN必須などセキュリティが高い
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日本国内でもインバウンドに強い決済手段として普及
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店舗にとっては「中国人観光客の売上を伸ばすための必須決済」
日本の決済市場においても、銀聯は今後さらに重要性が高まるブランドです。
店舗側も利用者側も、安全に活用しながら決済をスムーズに進めていきましょう。
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