ECサイトの拡大に伴い増えているのが、クレジットカードの不正利用や架空注文などの“不正注文”です。
こうした被害を未然に防ぐため、多くの事業者が導入しているのが 「不正検知サービス」。
この記事では、日本の決済インフラに精通した専門家として、不正検知サービスの仕組みやメリット、導入のポイントをわかりやすく解説します。
不正検知サービスとは?基本の仕組みを簡単に解説
不正検知サービスとは、ECサイト上の不正注文や不正決済を事前に検知し、被害を未然に防ぐためのセキュリティソリューションです。
近年は、クレジットカード情報の漏えいやフィッシング詐欺の増加により、EC事業者が負担するチャージバック被害も深刻化しています。
そのため、不正検知サービスは「EC運営に欠かせない標準装備」として注目されています。
どのように不正を見抜くのか?主な検知ロジック
不正検知サービスは、複数のデータを組み合わせ、AIやルールベースの判断で不正を見抜きます。
◆ 主な検知ポイント例
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IPアドレスやアクセス元地域の異常
例:海外IPから数秒間に大量注文が発生 -
利用デバイスの不一致
例:過去と異なるデバイスから同一カード情報で決済 -
購入商品の異常な組み合わせ
例:高額商品ばかりを短時間で複数購入 -
配送先住所の不自然さ
例:多発地域、過去に不正履歴のある住所 -
クレジットカードの利用パターン
例:試行回数が異常に多い、名義不一致
こうしたデータを総合的に解析し、不正の可能性をスコアリングしてEC事業者に通知します。
DGフィナンシャルテクノロジーの「不正検知サービスラインナップ」とは?
国内の大手決済代行会社である DGフィナンシャルテクノロジー(旧:ベリトランス) では、
総合決済サービス 「VeriTrans4G」 の中で、複数の不正検知サービスを組み合わせた「不正検知サービスラインナップ」を提供しています。
特徴は以下の通りです。
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複数の検知ロジックを組み合わせた高精度なチェック
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業界特性(物販 / デジタル / サブスク)ごとに最適化
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事業者の運用負荷を減らす自動スコアリング
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チャージバックや不正配送のリスクを大幅削減
EC規模や商材に応じて柔軟に組み合わせられるため、初めて導入する事業者でも安心して利用できます。
不正検知サービスを導入するメリット
● 1. チャージバック被害の防止
不正利用が発生すると、事業者は商品代金を失うだけでなく、決済手数料や送料も負担します。
不正検知により、この損失を事前に防止できます。
● 2. カスタマーサポートの負荷軽減
不正による返品対応や調査工数が大幅に削減されます。
● 3. 信頼性の高いECサイト運営が可能
不正の多いサイトはカード会社からの監視対象になり、最悪、決済停止のリスクも。
検知サービスの活用は、 “サイトの信用力向上” にもつながります。
● 4. 過度なブロックを避け、売上を守る
AIスコアリングにより、「安全な注文も過剰にブロックしてしまう」という誤検知を防止できます。
導入前に知っておきたい注意点(事業者向け)
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100%不正をゼロにはできないため、カード会社の追加認証や3Dセキュアとの併用が望ましい
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高額商材では “人手による目視チェック” を併用するとより安全
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商材ジャンルや顧客層に応じて検知設定を調整する必要がある
そのため、実際の運用に合わせて カスタマイズできるサービスを選ぶ ことが重要です。
まとめ:EC運営に不正検知サービスは必須の時代
不正検知サービスは、
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AIと多角的データ分析で不正注文を事前検知
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チャージバックや配送リスクを大幅削減
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ECサイトの信頼性向上にも寄与
といったメリットから、現代のEC運営に不可欠なソリューションです。
ECの不正は年々巧妙化しています。
その中で、効果的な不正対策を講じることは、事業者の売上とブランド価値を守る最も重要な投資と言えるでしょう。
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