FX取引で「今はトレンドが出ているのか」「そろそろ転換しそうなのか」を判断するのは簡単ではありません。
そんなときに役立つテクニカル指標のひとつが Aroon-Indicator(アルーン・インディケータ) です。
アルーン・インディケータは、価格の高値・安値がどれだけ最近更新されたか に注目し、トレンドの有無や強さを視覚的に判断できるのが特徴です。
この記事では、アルーン・インディケータの仕組み、見方、FXでの具体的な使い方、注意点 までを初心者向けに解説します。
Aroon-Indicator(アルーン・インディケータ)とは?
Aroon-Indicator(アルーン・インディケータ) とは、
👉 一定期間内の高値・安値の更新頻度から、トレンドの発生や強さを判断するテクニカル指標 です。
トレンド系指標の一種ですが、移動平均線とは違い、
「どれくらい最近、高値(または安値)が出たか」 に注目する点が大きな特徴です。
FXでは、
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トレンド相場か
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レンジ相場か
を見極める目的でよく使われます。
アルーン・アップとアルーン・ダウンの2本のライン
Aroon-Indicatorは、次の2本のラインで構成されています。
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アルーン・アップ(Aroon Up)
→ 高値の更新頻度を表すライン -
アルーン・ダウン(Aroon Down)
→ 安値の更新頻度を表すライン
どちらも 0〜100の範囲 で推移します。
アルーン・インディケータの計算式
アルーン・インディケータは、以下の計算式で算出されます。
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アルーン・アップ
(n日間 − n日間中の最高値からの経過日数) ÷ n日間 × 100 -
アルーン・ダウン
(n日間 − n日間中の最安値からの経過日数) ÷ n日間 × 100
つまり、
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直近で高値を更新していれば アルーン・アップは100に近づく
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直近で安値を更新していれば アルーン・ダウンは100に近づく
という仕組みです。
アルーン・インディケータの基本的な見方
トレンドが強いときの特徴
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アルーン・アップが高い(70〜100)
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アルーン・ダウンが低い(0〜30)
→ 上昇トレンドが強い状態
逆に、
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アルーン・ダウンが高い
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アルーン・アップが低い
→ 下降トレンドが強い状態 と判断します。
売買シグナルの判断方法
アルーン・インディケータでは、2本のラインのクロス が重要な判断材料になります。
買いシグナル
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アルーン・アップが、アルーン・ダウンを下から上に抜く
これは、
👉 高値更新が増え、上昇トレンドが発生しやすい状態
を示します。
売りシグナル
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アルーン・ダウンが、アルーン・アップを下から上に抜く
これは、
👉 安値更新が増え、下降トレンドに入りやすい状態
を示します。
FXでの具体的な取引シーン例
例:米ドル/円(USD/JPY)1時間足
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アルーン・アップが20付近から一気に80以上へ上昇
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同時にアルーン・ダウンが80付近から30以下へ低下
このような場面では、
「レンジ相場から上昇トレンドへ移行する可能性が高い」
と判断し、押し目買いを検討する材料 になります。
アルーン・インディケータを使う際の注意点
アルーン・インディケータは便利ですが、万能ではありません。
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レンジ相場では ダマシが発生しやすい
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ラインのクロスだけで売買すると エントリーが遅れる場合がある
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短期足では ノイズが多くなる
そのため、
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移動平均線
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RSI
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MACD
など、他のテクニカル指標と組み合わせて使うのがおすすめです。
初心者におすすめの使い方
FX初心者の方は、次のような使い方が現実的です。
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アルーンで トレンドの有無を確認
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実際のエントリーは ローソク足や他指標で判断
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レバレッジを抑え、損切りラインを必ず設定
アルーンは「売買の最終判断」よりも、
相場環境を把握する補助ツール として使うと失敗しにくくなります。
まとめ|アルーン・インディケータはトレンド判断に強い指標
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アルーン・インディケータは 高値・安値の更新頻度 に注目する指標
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2本のライン(アップ・ダウン)でトレンドの方向と強さを判断
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クロスは売買シグナルの目安になる
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他の指標と組み合わせることで実戦向きになる
トレンドが出ているかどうかを客観的に判断したい方にとって、
Aroon-IndicatorはFXで非常に使いやすいテクニカル指標 です。
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