FX(外国為替証拠金取引)を始めると、必ず目にするのが 「Ask(アスク)」 と 「Bid(ビッド)」 という2つの価格です。
一見すると分かりにくいですが、この違いを理解していないと「なぜ取引した瞬間にマイナスになるの?」と混乱してしまいます。
この記事では、Askの意味・Bidとの違い・スプレッドとの関係 を、実際の取引シーンを交えながらわかりやすく解説します。
Ask(アスク)とは何か?
Ask(アスク) とは、
👉 FXで通貨を「買うときの価格」 のことです。
たとえば、米ドル/円(USD/JPY)のレートが以下のように表示されているとします。
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Bid:149.800
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Ask:149.803
この場合、
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米ドルを 買う場合 → Ask(149.803)
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米ドルを 売る場合 → Bid(149.800)
が適用されます。
FXでは、株式のように「1つの価格で売買する」のではなく、売値(Bid)と買値(Ask)が同時に存在する のが大きな特徴です。
Bid(ビッド)との違いを理解しよう
FX取引では、以下のように役割がはっきり分かれています。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| Ask(アスク) | 通貨を「買う」価格 |
| Bid(ビッド) | 通貨を「売る」価格 |
初心者の方が最初につまずきやすいポイントは、
「チャートの価格=自分が買える価格」ではない という点です。
チャート上の価格は多くの場合 Bidベース で表示されています。
そのため、実際に買うときは、チャートより少し高いAsk価格で約定 します。
AskとBidの差がスプレッド
AskとBidの差額 を スプレッド と呼びます。
先ほどの例では、
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Ask:149.803
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Bid:149.800
👉 スプレッドは0.3銭
このスプレッドは、
FX会社の実質的な取引コスト と考えてください。
なぜ取引した瞬間にマイナスになるのか?
FX初心者がよく感じる疑問のひとつがこれです。
「買った瞬間、もう含み損が出ているのはなぜ?」
理由はシンプルで、
買った瞬間はAskで買い、評価はBidで行われるから です。
具体例
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Ask:149.803で買う
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直後のBid:149.800
👉 最初からスプレッド分(0.3銭)のマイナス
これは異常でも失敗でもなく、
FX取引の仕組み上、必ず発生するもの です。
Askを意識すべき取引シーン
以下のような場面では、Askを特に意識する必要があります。
① 成行注文で買うとき
成行で「買い」を入れると、必ず Ask価格 で約定します。
② 指値・逆指値を設定するとき
「この価格に来たら買いたい」と思っても、
Askがその水準に達しなければ注文は成立しません。
③ スキャルピング・短期売買
短期取引ではスプレッドの影響が大きいため、
AskとBidの差を理解していないと勝ちにくい です。
Askに関する注意点・リスク
FX取引において、Askを理解する際の注意点も押さえておきましょう。
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相場急変時はAskが大きく広がることがある
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経済指標発表時はスプレッド拡大に注意
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低流動時間帯(早朝など)は不利な価格になりやすい
特に初心者の方は、
「なぜ思った価格で買えなかったのか?」と感じたとき、
AskとBidのどちらを見ていたか を確認する習慣が重要です。
まとめ|Askを理解すればFXの仕組みが一気にクリアになる
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Ask(アスク)=通貨を買うときの価格
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Bid(ビッド)=通貨を売るときの価格
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AskとBidの差がスプレッド(取引コスト)
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買った瞬間にマイナスになるのは FXの正常な仕組み
Askを正しく理解することで、
FX取引の「なぜ?」が減り、無駄な不安やミスも防げます。
これからFXを始める方も、すでに取引している方も、
常に「今見ているのはAskかBidか?」を意識すること が、
安定したトレードへの第一歩です。
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