貸倒損失とは

貸倒損失とは?要件・仕訳・対策まで会計専門家が解説

企業活動では、売掛金や貸付金などの債権が回収できなくなるリスクがあります。そうしたときに発生するのが「貸倒損失(かしだおれそんしつ)」。ただし、貸倒損失として計上できるかどうかは要件が厳格に定められており、安易な処理は認められません。 本記事では、貸倒損失の意義、税務上の3つの要件、具体的な仕訳例、さらには企業が取るべき予防策について、初心者にも理解できるよう丁寧に解説します。 貸倒損失とは何か 貸倒損失は、売掛金・受取手形・貸付金などの債権が債務者の経営悪化・倒産などによって回収不能になったときに計上する損失です。回収不能と判断できる債権について、帳簿上の債権残高から除外して損益計算上の費用とします。 ただし、税務上その計上を認められるには一定の基準を満たす必要があります。...
関税とは

関税とは?仕組み・目的・種類をわかりやすく解説

「関税(かんぜい)」とは、輸出入の際に政府が課す税金のことです。国際取引を行ううえで欠かせないこの税金には、国家の収入確保だけでなく、自国産業を守るという重要な役割もあります。この記事では、関税の基本から、輸入関税・輸出関税の違い、さらには保護関税の考え方まで、会計や経済の初心者にもわかりやすく解説します。 関税の基本:そもそも何のためにあるのか? 関税とは、国をまたいで物品を輸出・輸入する際に課される税金です。大きく分けると次の2種類があります。 輸入関税(輸入時に課される税金) 輸出関税(輸出時に課される税金)...
加工費とは

加工費とは?意味・内訳・計算方法をわかりやすく解説

製造業の原価管理や会計を学ぶときによく登場する「加工費」。しかし、「原料費とはどう違うの?」「どこまでが加工費に含まれるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。 この記事では、公認会計士としての実務経験に基づき、加工費の定義・構成要素・関連する原価計算方法(総合原価計算)について、初心者にもわかりやすく解説します。 加工費とは? 加工費とは、製造原価のうち「直接材料費(原料費)」を除いたすべての費用を指します。つまり、原料以外に製品を完成させるために必要な費用のことです。 製造原価は以下のように構成されます。...
公認会計士とは

公認会計士とは?業務内容・監査法人・税理士との関係を初心者向けに解説

企業や会計の世界に関心を持ち始めた方にとって、「公認会計士」という職業はよく耳にする存在ですが、具体的にどのような仕事をするのか、資格としての意味や役割を正確に理解している方は少ないかもしれません。 この記事では、公認会計士の定義、監査法人での業務、税理士との関係、そして日本と海外での違いなどを、初心者にもわかりやすく解説します。 公認会計士とは何か? 公認会計士は、会計・監査の専門家として国家資格を持つ職業です。主な役割として、企業が作成する財務諸表や計算書類を監査し、その適正性を保証する責任を負います。 日本では、会社法・金融商品取引法などの法律に基づき、一定規模以上の会社は公認会計士による監査を受ける義務があります。公認会計士には、監査以外にも、企業の経営支援を行う“MAS業務(Management...
原価計算とは

原価計算とは?目的・種類・計算方法・仕訳例まで初心者向けに解説

製造業やプロジェクト型ビジネスで経営判断をする際、「原価計算」が必要になります。ただ、「難しそう」「何から手を付ければいいか分からない」と感じる方も多いかもしれません。 この記事では、原価計算の基本知識、目的、種類、計算方法、仕訳例などを、会計の専門家の目線から初心者にもわかりやすく解説します。 原価計算とは何か 原価計算とは、製品やサービスを作るためにかかったコストを明らかにする一連の手続です。具体的には、原材料、労務、経費などを「どの製品に、どの部門で、どのくらい使ったか」を分類・集計・配分・分析する作業を指します。 製造業では、仕入れた部品や材料を加工して製品にして販売する過程で、さまざまな費用が発生します。こうした費用を整理して「製品1個当たりの原価」を算出するのが原価計算です。...
キャペックスとは

【キャペックス(CAPEX)とは?】会計・不動産・投資で知っておきたい「資本的支出」をわかりやすく解説!

企業会計や投資、不動産経営の分野でよく登場する「キャペックス(CAPEX)」という言葉。ニュースや企業のIR資料などで見かける機会も多いですが、正確な意味を理解している人は意外と少ないかもしれません。 この記事では、キャペックスの意味・会計上の考え方・オペックス(OPEX)との違い・不動産での使われ方を、会計の専門家が初心者にもわかりやすく解説します。 🔹キャペックス(CAPEX)とは? キャペックス(CAPEX:Capital Expenditure)とは、「資本的支出」を意味します。企業や個人が、将来的に利益を生む資産を取得・維持するために行う支出のことで、一般的には「設備投資」とほぼ同義で使われます。...
公租公課とは

公租公課とは?意味・仕訳・具体例をわかりやすく解説

企業の会計処理を行う際、「公租公課(こうそこうか)」という勘定科目を見たことはありませんか?経理初心者には少し難しく感じる言葉ですが、実は税金や社会保険料など、国や自治体に納めるお金の総称のことです。 この記事では、公租公課の意味や具体例、仕訳方法、損金算入の可否まで、わかりやすく解説します。 🏛️公租公課とは? 公租公課(こうそこうか)とは、国や地方公共団体が公の目的のために課す金銭的な負担のことです。別名「租税公課(そぜいこうか)」とも呼ばれます。 企業や個人事業主が国・自治体に納める義務のある税金や負担金などが含まれ、会計上は「費用」として処理されます。...
株主割当増資とは

株主割当増資とは?仕組み・ライツイシュー・種類をわかりやすく解説!

企業が事業拡大や新規プロジェクトのために資金を調達する方法はいくつかありますが、その中でも「株主割当増資(かぶぬしわりあてぞうし)」は、既存の株主にとって特に重要な仕組みです。 この記事では、株主割当増資の基本から、ライツイシュー(新株予約権無償割当)の種類まで、初心者にもわかりやすく解説します。 💡株主割当増資とは? 株主割当増資とは、既存の株主に対して新株を優先的に購入する権利(新株予約権)を与えることで行う増資方法です。株主は自分が保有する株式数に応じて資金を出し、その対価として新たに発行される株式(新株)を取得します。 つまり、会社は「株主から資金を集める」形で増資を行い、株主は「持株比率を維持しながら出資する」ことができる仕組みです。...
金銭出資とは

金銭出資とは?現物出資との違いやメリットをわかりやすく解説!

企業が新しく資金を調達したり、株式会社を設立したりする際に行われる「出資」。その中でも最も一般的で手続きがシンプルなのが「金銭出資(きんせんしゅっし)」です。 この記事では、金銭出資の意味や現物出資との違い、実際のメリット・注意点まで、初心者にもわかりやすく解説します。 🔹金銭出資とは? 金銭出資とは、現金(または銀行振込)によって出資を行うことを指します。たとえば、会社を設立したり、新たに増資を行うときに、株主や出資者が会社の口座にお金を振り込む形で出資します。 株式会社では、出資の方法として次の2種類があります:...
企業会計原則とは

企業会計原則とは 基礎となる7つの一般原則と会計公準の解説

企業会計原則とは、企業が会計処理を行う際に守るべき基本的なルールです。財務諸表の作成や監査の際に基準として用いられ、公正で適切な会計処理を実現するために存在しています。この記事では、企業会計原則の基礎となる7つの一般原則や会計公準について、初心者でも理解しやすい形で解説します。 企業会計原則とは 企業会計原則は、1949年に旧大蔵省の経済安定本部・企業会計制度対策調査会によって公表されました。企業会計の慣習から生まれ、一般に公正妥当と認められる基準をまとめたもので、法的拘束力はありません。しかし、大企業・中小企業を問わず、会計処理の基本として今日まで重要視されています。会計監査でも従うべき原則とされています。 2001年以降は企業会計基準の重視が高まり、2008年以降のG20サミット以降は国際会計基準との整合性も重視されるようになりました。それでも企業会計原則は、会計処理の基本を理解するうえで欠かせない知識です。 企業会計原則は、「一般原則」「損益計算書原則」「貸借対照表原則」、および重要性の原則などをまとめた「企業会計原則注解」から構成されています。...