経過勘定科目は、会計処理の中でもよく登場する重要な考え方の一つです。決算時や月次処理の際に、現金の動きと実際の費用・収益の発生時期がずれることがあります。そのズレを正しく調整するために使われるのが「経過勘定科目」です。 この記事では、公認会計士の立場から、経過勘定科目の意味や種類、具体的な仕訳例、そして未決済項目との違いをわかりやすく解説します。初めて経理を担当する方や、仕訳の正確さを高めたい方に役立つ内容です。 経過勘定とは 経過勘定とは、収益や費用をその発生した期間に正しく対応させるための会計処理のことをいいます。現金の支払いや受け取りのタイミングと、経済的な実態としての「費用の発生」「収益の獲得」の時期が一致しない場合に、そのズレを調整するために用います。 たとえば、毎月10万円の家賃費用が発生しているが、支払いは年1回、1年分の120万円を翌年に支払う場合、実際には毎月費用が発生しているのに、現金は動いていません。このようなケースでは「未払費用」を使って、毎月の費用を正しく認識します。...