買掛金とは

買掛金とは?未払金との違いや仕訳例をやさしく解説

企業の会計処理をすすめるうえで、買掛金という勘定科目は非常によく使われます。ただ、未払金や未払費用など似たような科目と混同されやすいため、「違いがあいまいだ」という声もよく聞きます。 本記事では、買掛金の意味、未払金・未払費用との違い、仕訳例、残高管理、回転期間と回転率など、実務で使える知識も交えて整理して解説します。 買掛金とは何か 買掛金は、企業が商品や原材料などを「掛取引(後払い)」で仕入れたときに発生する支払義務を示す負債科目です。掛取引とは、即時支払うのではなく、取引先との信用をもとに代金を後日支払う形式です。 買掛金は「仕入債務」に分類され、貸借対照表では負債側の流動負債に含まれることが一般的です。取引先との代金支払いの時点で、この負債が消える仕組みです。...
経過勘定科目とは

経過勘定科目とは?初心者にもわかる仕訳例と実務での使い方を徹底解説!

経過勘定科目は、会計処理の中でもよく登場する重要な考え方の一つです。決算時や月次処理の際に、現金の動きと実際の費用・収益の発生時期がずれることがあります。そのズレを正しく調整するために使われるのが「経過勘定科目」です。 この記事では、公認会計士の立場から、経過勘定科目の意味や種類、具体的な仕訳例、そして未決済項目との違いをわかりやすく解説します。初めて経理を担当する方や、仕訳の正確さを高めたい方に役立つ内容です。 経過勘定とは 経過勘定とは、収益や費用をその発生した期間に正しく対応させるための会計処理のことをいいます。現金の支払いや受け取りのタイミングと、経済的な実態としての「費用の発生」「収益の獲得」の時期が一致しない場合に、そのズレを調整するために用います。 たとえば、毎月10万円の家賃費用が発生しているが、支払いは年1回、1年分の120万円を翌年に支払う場合、実際には毎月費用が発生しているのに、現金は動いていません。このようなケースでは「未払費用」を使って、毎月の費用を正しく認識します。...
級数法とは

級数法とは?減価償却の計算法をわかりやすく解説

「級数法(きゅうすうほう)」とは、減価償却費を算出する際に用いられる計算法の一つです。算術級数(等差数列)の考え方を利用して、毎年の償却額を一定の割合で逓減(ていげん)させながら計上していくのが特徴です。 難しそうに聞こえますが、ポイントを押さえれば、減価償却の概算値を簡便に求めることができる便利な方法です。この記事では、級数法の意味から計算の仕組み、他の方法との違いまで、やさしく解説します。 減価償却における「級数法」とは? 企業や個人事業主は、固定資産(建物・機械・車両など)を購入した際、その資産価値を耐用年数に応じて少しずつ費用化していきます。これが「減価償却」です。 このとき、どのように費用(減価償却費)を配分するかを決めるのが「減価償却の計算法」です。代表的な方法には次のようなものがあります:...
減資差益とは

減資差益とは?わかりやすく解説

企業会計における「減資差益(げんしさえき)」とは、企業が欠損(赤字)を補填するために減資を行った際や、資本準備金を減らした際に、補填額を超えて余った金額が発生した場合、その超過分を計上する勘定科目のことをいいます。 簡単に言えば、「減資した結果、少しお金が余ったときに使う会計項目」です。 減資とは?まず基本をおさらい 「減資(げんし)」とは、企業が資本金を減らすことを指します。一見すると「会社の規模を小さくする」ように感じますが、実際には多くの場合、経営状態を健全化するための会計上の手続きにすぎません。 主な目的は次の2つです:...
現金・預金とは

貸借対照表の「現金・預金」とは?見るべきポイントをわかりやすく解説!

企業の財務状況を把握するうえで欠かせないのが「貸借対照表(バランスシート)」です。その中でも最も注目すべき科目の一つが「現金・預金」。経営の安定性や資金繰りの健全性を判断するために、現金・預金をどう見るかは非常に重要です。 本記事では、公認会計士としての実務経験を踏まえ、「貸借対照表の現金・預金を見るときのポイント」を初心者にもわかりやすく解説します。 現金・預金とは? 「現金・預金」とは、企業が保有する現金と、銀行などの金融機関に預け入れているお金の総称です。貸借対照表では、決算日(期末日)時点での現金と預金の合計額を示します。表示名は「現金及び預金」「現金預金」と記載される場合もありますが、いずれも同じ意味です。 現金に含まれるもの...
減価償却とは

減価償却とは?仕組み・計算方法・仕訳まで初心者にもわかりやすく解説

企業経営や個人事業に欠かせない「減価償却」。建物や機械などの固定資産は、時間が経つにつれて価値が減っていきます。この価値の減少を「費用」として少しずつ計上していくのが減価償却のしくみです。 この記事では、 減価償却の基本的な考え方 計算方法(定額法・定率法) 会計上の仕訳の仕方まで、初心者にも分かりやすく整理して解説します。...
会計監査とは

会計監査とは?目的・時期・種類・準備すべき書類をわかりやすく解説

企業の信頼性を支える重要な仕組みのひとつが「会計監査(かいけいかんさ)」です。財務諸表の正確性を確認するだけでなく、企業のガバナンスや内部統制の健全性を保つ役割も担っています。本記事では、会計監査の意味や目的、種類、監査の流れ、そして準備すべき書類まで、わかりやすく解説します。 会計監査とは 会計監査とは、企業の財務諸表が適正に作成されているかを第三者が検証する手続きのことです。つまり、企業が公表する「決算書(損益計算書・貸借対照表など)」が、事実に基づいて正しく表示されているかを独立した監査人(公認会計士または監査法人)が確認します。 監査を受けることで、投資家・取引先・金融機関などの利害関係者に対し、企業の経営状況が正確であることを保証できます。 会計監査の目的...
還付金とは

還付金とは|法人・個人事業主の仕訳と勘定科目をわかりやすく解説

確定申告のあと、「税金が戻ってきます」と通知が届いた経験はありませんか?この“戻ってくるお金”こそが「還付金(かんぷきん)」です。 還付金は、納めすぎた税金が返ってくるだけのものですが、会計上は正しく仕訳処理する必要があります。この記事では、法人と個人事業主の還付金の勘定科目と仕訳例を、専門家の視点からわかりやすく解説します。 還付金とは? 還付金とは、納めすぎた税金が返金されるお金のことです。決算や確定申告によって最終的な税額が確定した際、事前に納めていた税額が実際より多いと、差額分が「還付」されます。 一見「得をした」と思いがちですが、実際は払いすぎた税金が戻るだけです。そのため、帳簿上は「すでに支出済みの資金が戻る処理」として仕訳を行います。...
黒字倒産とは

黒字倒産とは?損益とキャッシュのズレで会社が危機に陥る理由と対策

経営をしていると、「会社は黒字なのに倒産した」という話を耳にすることがあります。これは 「黒字倒産」 と呼ばれる現象です。損益計算書上は利益が出ているのに、手元の資金不足で経営が立ち行かなくなる、という少し不思議なケースです。 この記事では、黒字倒産の仕組みや原因、具体例、そして防ぐための対策まで、初心者でも理解できるように丁寧に解説します。 黒字倒産とは?...