クレジットカード決済では、日々膨大なカード情報や取引データがネットワークを通じてやり取りされています。
その際、重要なのが 情報を第三者から守るための「暗号化技術」 です。
その暗号化方式のひとつが DES(デス:Data Encryption Standard)。
名前は聞いたことがあるけれど、どんな技術か知らないという人も多いのではないでしょうか。
本記事では、クレジットカード分野の専門家として、DESの仕組みや役割、現在の位置づけをわかりやすく解説します。
DES(デス)とは?
DES(Data Encryption Standard)とは、共通鍵暗号方式の代表的な暗号アルゴリズムのひとつで、1977年に米国政府の暗号標準として採用された技術です。
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1960年代後半:IBM ワトソン研究所で開発
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1972年:特許取得
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1977年:連邦情報処理基準(FIPS)に認定 → 事実上の世界標準へ
長年にわたり、金融機関や企業ネットワークで最も広く利用された暗号方式として知られています。
DESの特徴
● 共通鍵方式(対称鍵暗号)
DESは「共通鍵方式」と呼ばれる暗号方式で、暗号化と復号に同じ鍵を使うのが特徴です。
このシンプルさが高速処理に向いており、決済システムや金融ネットワークで重宝されました。
● 56ビット鍵による暗号
DESは 56ビット の鍵長を用いる仕様です。
開発当時としては十分な長さでしたが、コンピュータの性能向上とともに安全性への課題が指摘されるようになりました。
なぜクレジット業界で重視されるのか?
クレジットカードの決済ネットワークは、セキュリティが欠けると即座に不正利用につながります。
そのため、「データを暗号化して安全に送る」ことが絶対条件です。
DESは長年、以下のような場面で利用されてきました。
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クレジットカード取引データの暗号化
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POS端末とカード会社サーバー間の通信保護
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ATM など金融端末のセキュリティ
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カード情報の暗号保護(古いシステム)
特に銀行・カード会社の基幹ネットワークでは、DESは事実上の標準技術として圧倒的な普及を誇りました。
現在のDESの立ち位置
コンピュータ性能の進化により、56ビット鍵では安全性が不十分 とされるようになり、現在は後継の強化版が主流となっています。
主な後継技術
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3DES(トリプルDES)
DESを3回適用する方式で、暗号強度を大幅に強化 -
AES(Advanced Encryption Standard)
国際的に利用される暗号方式で、現在の主流
クレジットカードのセキュリティ基準 PCI DSS でも、DES単体の使用は避けることが推奨され、より強固な方式へ移行が進んでいます。
DESが理解できると何が役立つ?
一般のクレジットカード利用者がDESを詳しく理解する必要はありません。
しかし、暗号化技術を知ることで次のような「安心」が得られます。
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カード情報は高度な暗号化によって守られている
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決済ネットワークは国際基準に沿って管理されている
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通信の安全性が担保されているため、オンライン決済も安心
「カード情報が流出しないの?」という不安を軽減できる知識です。
まとめ
DES(デス)は、かつて世界で最も広く使われた暗号方式で、共通鍵暗号の代表的存在です。
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IBMが1960年代後半に開発
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1977年に米国の暗号標準に
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クレジットカード取引の暗号化にも利用
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現在は3DES・AESなどの後継方式が主流
クレジット業界のセキュリティを語る上で欠かせない技術であり、決済を安心して利用できる土台となった歴史的重要技術です。
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