クレジットカードの安全性を語るうえで欠かせないキーワードが 「EMV」 です。
現在、世界中で使われているICチップ付きカードの多くがこの規格に基づいて動いています。
この記事では、クレジット分野の専門家として、EMVの仕組み・歴史・メリットを初心者にもわかりやすく解説します。
EMV(イーエムヴィー)とは?国際的なICカードの標準規格
EMVとは、Europay・Mastercard・Visa の3社が策定した金融業務向けICカードの国際標準規格のことです。
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E = Europay
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M = Mastercard
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V = Visa
この3社が1994年に「国際的に通用する安全なICカード仕様を作ろう」と合意したことから誕生しました。
2002年には Europay が Mastercard と統合しましたが、EMVという名称は現在も世界共通規格として使われ続けています。
なぜEMVが作られたのか?誕生の背景
EMV規格が作られた理由は明確です。
① 磁気ストライプカードの偽造が急増していたため
従来の磁気カードは情報を読み取られやすく、スキミング被害が世界的に深刻化していました。
そのため、より高度なセキュリティが求められていました。
② 国際ブランドごとに仕様がバラバラだった
Visa、Mastercard、Europayなどがそれぞれ独自仕様でカードを作っていたため、
国やブランドをまたいだ決済の互換性が低かった のです。
旅行先でカードが使えない……
というトラブルも当時は珍しくありませんでした。
これを解決するために 国際標準としてEMV仕様が策定された のです。
EMVの仕組み|ICチップで安全な認証を実現
EMV対応のICカードには、小さな金色のICチップが搭載されています。
このチップには、以下のような高度な処理を行う機能が組み込まれています。
① 暗号化による本人認証
カード番号や有効期限だけでなく、暗号化された情報を使って安全に認証を行います。
② 取引ごとに異なるデータを生成
磁気カードと違い、毎回異なるコード(動的データ)を作るため、
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複製が極めて困難
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不正利用されにくい
というメリットがあります。
③ オフライン認証にも対応
ネットワークにつながらない状況でも、ICチップが自ら判断して決済を許可できる場合があります。
EMVの導入で何が変わった?3つの大きなメリット
① 不正利用リスクが大幅に減少
スキミングによる偽造カード被害が劇的に減りました。
日本でもICチップ対応が推進され、不正被害の抑制につながっています。
② 世界中どこでも使いやすくなった
EMVは国際標準のため、海外旅行でも高い互換性があります。
「ヨーロッパではICカードが主流で磁気カードが通りにくい」
といったトラブルも、EMV普及によって起こりにくくなりました。
③ タッチ決済(EMVコンタクトレス)の普及を促進
最近増えている Visaタッチ・Mastercardコンタクトレス などは、
EMVの技術を応用した「非接触IC決済」です。
これにより、
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スピーディー
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サイン不要
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衛生的
というメリットを持つ決済手段が広がりました。
EMVは今後どう進化する?最新トレンド
EMVはICカードだけではなく、
以下のような最新技術にも応用されています。
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スマホ決済(Apple Pay・Google Pay)
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非接触決済の高度化
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オンライン決済向けEMV 3-D Secure(本人認証)
特にECの普及に伴い、オンライン決済の安全性を強化する技術としても注目されています。
まとめ|EMVは安全なカード決済を支える国際規格
EMVは、
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Europay・Mastercard・Visaが共同で策定したICカードの国際標準
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磁気カードの偽造被害を減らすために生まれた
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ICチップで高度な安全性を実現
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非接触決済やスマホ決済にも応用される重要技術
というクレジットカードの基盤を支える存在です。
クレジットカードをより安全に使いたい方や、決済技術の仕組みを知りたい方にとって、理解しておくべき重要なキーワードといえます。
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