FFOとは?まずは基本をわかりやすく解説
FFO(Funds From Operations)とは、不動産投資信託(REIT)を評価するための重要な指標の一つです。
簡単に言うと、「不動産の運用によって実際に生み出されたキャッシュフローに近い利益」を示す数値です。
通常の会計上の利益(純利益)は、減価償却費や不動産の売却損益の影響を大きく受けますが、FFOではそれらを調整することで、より実態に近い収益力を把握することができます。
FFOの計算方法と仕組み
FFOは、以下のような考え方で算出されます。
FFO = 純利益 + 減価償却費 ± 不動産売買損益
なぜこのような調整をするのか?
ポイントは2つあります。
① 減価償却費を足し戻す理由
不動産投資では、建物は年数の経過とともに価値が減少する前提で「減価償却費」が計上されます。
しかし実際には、
- すぐに現金が出ていくわけではない(非現金費用)
- 不動産価格が上昇するケースもある
つまり、減価償却費は「会計上の費用」であって、キャッシュフローを直接悪化させるものではありません。
そのため、FFOでは減価償却費を足し戻します。
② 売却損益を除外する理由
不動産の売却による利益や損失は、
- 一時的なもの(継続的ではない)
- 本来の賃貸経営の実力とは無関係
そのため、REITの「運用力」を正しく見るために除外されます。
FFOが重要な理由|REIT投資での使い方
FFOは、株式投資でいうPER(株価収益率)のような役割を持っています。
FFO利回り(またはFFO倍率)
REIT投資では以下のような指標が使われます。
- FFO利回り = FFO ÷ 投資口価格
- FFO倍率(Price/FFO)= 投資口価格 ÷ FFO
これは、
- 利回りが高い → 割安の可能性
- 利回りが低い → 割高の可能性
といった判断材料になります。
具体例で理解するFFO
例えば、あるREITの年間数値が以下の通りとします。
- 純利益:1億円
- 減価償却費:5,000万円
- 不動産売却益:2,000万円
この場合、FFO = 1億円 + 5,000万円 − 2,000万円 = 1億3,000万円
この1億3,000万円が、「実際の運用で生み出されたキャッシュフローに近い金額」と考えられます。
不動産投資(現物)との関係
FFOの考え方は、現物不動産投資にも応用できます。
たとえば賃貸経営では、
- 減価償却費は節税効果がある一方でキャッシュは減らない
- 実際の手残り(キャッシュフロー)が重要
つまり、「会計上の利益」と「実際のキャッシュフローは違う」という点は、REITでも現物投資でも共通です。
税務との違いに注意
FFOはあくまで「投資判断の指標」であり、税務上の所得とは異なります。
税金計算ではどうなる?
日本の税務では、
- 減価償却費 → 必要経費として控除
- 売却益 → 課税対象(譲渡所得など)
つまり、FFOが高くても税金が安いとは限らない点には注意が必要です。
FFOと他の指標との違い
FFOと似た概念として、以下もよく使われます。
NOI(純営業収益)
- 家賃収入 − 運営費
- 金利や減価償却前の収益
営業キャッシュフロー
- 実際の現金の出入りベース
FFOはその中間に位置し、「継続的な収益力を示すバランスの良い指標」といえます。
まとめ
FFOとは、不動産の運用によって生み出される実質的な収益力を示す重要な指標です。
- 減価償却費を足し戻す
- 売却損益を除外する
- キャッシュフローに近い数値になる
これにより、REITの本来の稼ぐ力を把握できます。
不動産投資やREITに取り組むうえでは、表面的な利回りだけでなく、FFOのような指標を活用することで、より本質的な判断ができるようになります。
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