ECサイトやオンライン決済が主流となる一方で、
電話注文やコールセンター経由の支払いニーズは、今も多くの業界で根強く存在しています。
そのようなシーンで活躍するのが IVR(Interactive Voice Response) です。
特に近年は、IVR決済 として、セキュリティと業務効率を両立する手段として注目されています。
この記事では、決済分野での実務経験をもとに、
IVRの基本から、IVR決済の仕組み、導入メリット、具体的な活用シーンまでをわかりやすく解説します。
IVRとは
IVR(読み方:あいぶいあーる) とは、
Interactive Voice Response(音声自動応答) の略称です。
電話を通じて、
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音声ガイダンス
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プッシュ操作(番号入力)
などを用いて、自動で案内・受付・処理を行うシステムを指します。
金融機関や通販、公共サービスなど、
人手を介さずに対応できる仕組みとして幅広く利用されています。
IVR決済とは何か
IVR決済とは、
電話注文時にオペレーターを介さず、音声自動応答だけでクレジットカード決済を完了できる仕組み です。
DGフィナンシャルテクノロジー(旧:ベリトランス)では、
この仕組みを活用した IVR決済ソリューション を提供しています。
利用者は、音声ガイダンスに従って
カード番号や有効期限を電話機のボタン操作で入力するだけで、支払いが完了します。
IVR決済の基本的な流れ
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電話で商品・サービスを注文
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IVR決済を選択
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自動音声の案内に従って操作
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クレジットカード情報を入力
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決済完了
オペレーターがカード情報を聞き取る必要がないため、
情報漏えいリスクを大幅に低減できます。
IVR決済が注目される理由
クレジットカード情報を人が扱わない
IVR決済では、
オペレーターがカード番号を目にすることも、聞くこともありません。
そのため、
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内部不正リスクの低減
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ヒューマンエラーの防止
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情報管理負担の軽減
といった効果が期待できます。
PCI DSS対応の負担軽減
カード情報を直接扱わないことで、
事業者側の PCI DSS 対応範囲を最小限に抑えられるケースがあります。
コールセンターを運営する企業にとっては、
セキュリティコスト削減という大きなメリットがあります。
オペレーター業務の効率化
支払い対応を自動化することで、
オペレーターは問い合わせ対応や説明業務に集中できます。
結果として、
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対応時間の短縮
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人件費の最適化
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繁忙期の負荷軽減
につながります。
IVR決済の活用シーン
IVR決済は、以下のような業界・サービスで多く活用されています。
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通販・カタログ販売
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チケット予約・イベント受付
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宿泊・旅行予約
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医療・クリニックの電話予約
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高齢者向けサービス
「インターネット操作が苦手だが、電話なら利用できる」
という利用者層にも適した決済手段です。
導入時の注意点
利用者への案内設計
音声ガイダンスが複雑すぎると、
途中で電話を切られてしまう可能性があります。
初心者にもわかりやすい、
シンプルなフロー設計が重要です。
他の決済手段との併用
IVR決済は非常に便利ですが、
オンライン決済やQRコード決済と併用することで、
より幅広い顧客ニーズに対応できます。
まとめ
IVRは、
電話という従来型の注文手段と、現代のセキュリティ要件を両立させる仕組み です。
特にIVR決済は、
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クレジットカード情報の安全な取り扱い
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コールセンター業務の効率化
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PCI DSS対応負担の軽減
といった点で、決済実務において非常に有効です。
電話注文を受け付けている事業者や、
セキュリティを重視した決済フローを検討している場合、
IVR決済は検討する価値の高い選択肢と言えるでしょう。
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