MVA

MVA(市場価格調整)とは?解約返戻金が減る・増える仕組みをわかりやすく解説

「MVA(市場価格調整)」という用語を保険の説明書で見て「何これ?」と思ったことはありませんか?
特に外貨建てや利率変動型の終身保険・年金保険などでは、解約返戻金に影響する大事な仕組みです。

この記事では**「MVAとは」「市場価格調整の仕組み」「解約返戻金への影響」「具体例」**を初心者にもわかりやすく解説します。

✅ MVAとは?

MVAとは 「Market Value Adjustment(市場価格調整)」 の略です。
日本語では「市場価格調整」と呼ばれます。

✅ 一言でいうと
解約返戻金などを受け取るときに、契約時と解約時の市場金利の差を反映して調整する仕組み

✅ なぜ市場価格調整があるの?

保険会社は、契約者から預かった保険料を債券などの金融資産で運用しています。
解約する時期によって、当初予定していた利回りと実際の市場金利が大きく変わることがあります。

  • 市場金利が上昇 → 債券価格が下落

  • 市場金利が下落 → 債券価格が上昇

もし途中解約が多発しても、保険会社は資産を市場価格で売却して返戻金を用意する必要があります。
市場価格調整(MVA)は、そうした運用上の公平性を保つための仕組みです。

✅ MVAがある保険の特徴

  • 外貨建て終身保険・年金保険

  • 定額部分を持つ利率変動型の終身保険

  • 運用資産を市場金利で評価するタイプの保険

こうした商品では、解約返戻金を「単純に積立額そのまま」ではなく、市場状況を反映して調整することで、契約者間の公平性を保ちます。

✅ 市場価格調整の仕組み

市場価格調整では、契約時の予定利率と解約時の市場金利を比較します。

  • 市場金利が上昇した場合
    → 保険会社の保有債券価格が下がる
    → 解約返戻金は減額される

  • 市場金利が下落した場合
    → 保険会社の保有債券価格が上がる
    → 解約返戻金は増額される

 

✅ 具体例でイメージ

例1:市場金利が上昇

  • 契約時:予定利率1%

  • 解約時:市場金利3%
    → 債券価格が下落
    → 解約返戻金は減額される

「解約するときに市場金利が高いと、不利になる」と覚えるとイメージしやすいです。

例2:市場金利が下落

  • 契約時:予定利率3%

  • 解約時:市場金利1%
    → 債券価格が上昇
    → 解約返戻金は増額される

「解約するときに市場金利が低いと、有利になる」ケースもあります。

✅ MVAのメリットと注意点

✅ メリット

  • 契約者間の公平性を保つ

  • 長期運用を前提とした保険設計を守る

✅ 注意点

  • 途中解約のタイミングで返戻金が大きく減るリスク

  • 「元本保証」とは限らない

特に外貨建て保険や利率変動型保険を契約するときは、「MVAあり」と書かれていないか必ず確認しましょう。

✅ まとめ

  • MVA(市場価格調整)とは:解約返戻金を市場金利に合わせて調整する仕組み

  • 市場金利が上がると:解約返戻金は減額される

  • 市場金利が下がると:解約返戻金は増額される

  • 長期契約を前提とした公平性確保の仕組み

途中解約を考える人は、**「解約返戻金が市場金利で変動するリスク」**をよく理解して契約することが大切です。

さらに参照してください:

延長保険とは?解約返戻金を使った生命保険の仕組みをやさしく解説