個別財務諸表とは

個別財務諸表とは?連結財務諸表との違いや包括利益の必要性をわかりやすく解説

企業会計において欠かせないのが「財務諸表」です。 その中でも「個別財務諸表」は、企業単体の経営状況を把握するうえで基本となる資料です。 この記事では、個別財務諸表の意味や連結財務諸表との違い、作成時の注意点、そして包括利益の表示が必要かどうかを専門家の視点から詳しく解説します。 個別財務諸表とは 個別財務諸表とは、1つの企業単体の財務状況や経営成績を示すために作成される決算書類です。金融商品取引法や会社法などに基づき作成され、主に以下の書類で構成されます。...
逆取得とは

逆取得とは?意味・会計処理・具体例までわかりやすく解説

企業の合併や再編では「吸収合併」「株式交換」など、さまざまな形があります。その中でも少し特殊なのが「逆取得(ぎゃくしゅとく)」です。一見すると小さな会社が大きな会社を“取得したように見える”このケースは、会計処理上も注意が必要な取引形態です。 逆取得とは 逆取得とは、吸収合併などの企業再編において、法律上の存続会社が消滅会社の株主に株式を交付した結果、消滅会社の株主が存続会社の議決権の過半数を握るようになった場合を指します。つまり、法律上はA社がB社を吸収合併したように見えても、実際にはB社の株主がA社を支配するようになる状況です。 一般的な企業結合(通常の取得)では、存続会社が支配権を持ちますが、逆取得ではその関係が「逆転」します。そのため「逆取得(reverse acquisition)」や「逆さ合併」と呼ばれることがあります。...
合弁会社とは

合弁会社とは?設立のメリット・出資比率の決め方・成功事例までわかりやすく解説

企業が新しい市場へ進出したり、大規模な事業を展開したりする際に、「合弁会社(ジョイントベンチャー)」という形態が注目を集めています。複数の企業が協力して新たな価値を生み出すこの仕組みは、成長戦略の一つとして非常に有効です。本記事では、合弁会社の基本から設立手順、出資比率の考え方、そして成功事例まで、わかりやすく解説します。 合弁会社(ジョイントベンチャー)とは 合弁会社とは、複数の企業が互いの経営資源を持ち寄り、共同で事業を運営するために設立する会社のことです。英語では「Joint Venture(ジョイントベンチャー)」と呼ばれ、単なる業務提携とは異なり、新たな法人格を持つ点が特徴です。各企業が出資金を分担し、共同で経営や意思決定を行うため、より強固なパートナーシップが築かれます。 合弁会社と他の会社形態との違い...
会計方針とは

会計方針とは?意味・例・変更時の注意点をわかりやすく解説!

企業の財務諸表を読み解くときに、必ず目にするのが「会計方針(かいけいほうしん)」という言葉。実はこの「会計方針」は、企業の利益額や財務状況の見え方を大きく左右する、とても重要な要素です。この記事では、会計実務のプロの視点から「会計方針とは何か」「どんな種類があるのか」「変更する際のルール」までを、初心者にもわかりやすく解説します。 🔹 会計方針とは? 会計方針とは、財務諸表を作成する際に企業が採用する会計処理の原則や手続きのことをいいます。(出典:過年度遡及会計基準第4項(1)) 例えば、同じ「棚卸資産(在庫)」でも、...
偶発債務とは

偶発債務とは?意味・仕訳例・会計処理までわかりやすく解説

企業会計では「まだ発生していないけれど、将来発生するかもしれない債務」が存在します。それが 「偶発債務(ぐうはつさいむ)」 です。 本記事では、偶発債務の意味から、仕訳のやり方、引当金との違い、会計基準における注記のルールまでを、実務経験のある会計専門家がわかりやすく解説します。 🔍...
後発事象とは

後発事象とは?修正・開示の違いと監査でのポイント

決算を終えてホッと一息…と思った矢先に、企業の財務に大きな影響を与える出来事が発生することがあります。たとえば、主要取引先の倒産や自然災害による損害など。 こうした「決算日以降」に発生した事象をどう会計処理すべきか――それが今回のテーマ「後発事象(こうはつじしょう)」です。 本記事では、企業会計における後発事象の定義から、修正・開示の違い、監査での取り扱いまで、実務的な観点からわかりやすく解説します。 🔍 後発事象とは?基本の定義を理解しよう...
関連当事者とは

「関連当事者」とは?会計処理・開示義務を初心者向けにやさしく解説

こんにちは。5年以上にわたって企業会計・個人事業主の会計処理・税務申告に携わってきた会計専門家として、また「検索で見つかりやすい記事」を書くウェブライターとして、本日は「関連当事者」について、初心者の方にもわかりやすく丁寧に整理してお伝えいたします。 企業の取引先や役員関係の整理、そして財務諸表の開示義務など、知っておくと安心なポイントを具体例付きで解説します。まずはこのキーワードを押さえておきましょう: 関連当事者の範囲 関連当事者取引とは何か 開示が必要な取引・開示不要な取引...
逆粉飾決算とは

逆粉飾決算とは?目的・手口・リスクをわかりやすく解説

企業の決算において「粉飾決算」という言葉はよく耳にしますが、その逆の行為「逆粉飾決算」についてご存じでしょうか?実は逆粉飾決算も、一般的な粉飾決算と同様に**不正会計(不正経理)**として重大な法的リスクを伴う行為です。 この記事では、逆粉飾決算の意味・目的・典型的な手口、そして発覚した場合の影響について、専門家の視点からわかりやすく解説します。 逆粉飾決算とは? 逆粉飾決算(ぎゃくふんしょくけっさん)とは、企業が意図的に利益を小さく見せるように決算書を操作する行為を指します。 通常の粉飾決算は「利益を大きく見せる」ことで、企業の業績を良く見せたり、株価を上げたりする目的で行われます。一方、逆粉飾決算はその逆で、「利益を少なく見せる」「財務状態を悪く見せる」ために行われるものです。...
合併とは

合併とは?吸収合併・新設合併の違いや会社法上の仕組みをわかりやすく解説

企業再編の中でも最もポピュラーな手法のひとつが「合併」です。ニュースなどで「A社とB社が合併」「グループ再編の一環として吸収合併を実施」といった表現を見かけることも多いでしょう。 しかし実際には、「合併とは何を指すのか」「吸収合併と新設合併の違いは?」「合併でお金を交付できる?」といった疑問を持つ方も少なくありません。 この記事では、日本の会計と会社法の専門家の立場から、合併の基本的な仕組みと種類、さらに最近注目されている現金対価合併まで、初心者にもわかりやすく解説します。 合併とは?その基本的な意味 合併とは、複数の会社が一つの会社に統合されることをいいます。会社だけでなく、地方自治体や一般社団法人などの団体でも「合併」という言葉は使われますが、ここでは企業(特に株式会社)の合併について説明します。...
共同事業とは

共同事業とは?税務上の「適格組織再編」との関係をわかりやすく解説

企業間の協力関係や業務提携が多様化する中で、「共同事業」という言葉を耳にする機会が増えています。しかし、「共同事業とは具体的にどのような形態なのか」「税務上どのような取り扱いになるのか」については、実務で混乱しやすいポイントでもあります。 この記事では、日本の会計・税務の専門家の視点から、共同事業の基本的な考え方と、適格組織再編との関係、税務上の注意点を初心者にもわかりやすく解説します。 共同事業とは? 共同事業とは、複数の会社(法人や個人事業主など)が共同で事業を行う形態を指します。たとえば、新製品の開発を共同で行うために複数社が出資したり、販売・物流などの一部機能を共同運営するケースなどが典型です。 特に、企業再編(合併・分割・株式交換など)を通じて共同事業を行う場合、一定の条件を満たすと「適格組織再編」として課税の繰延が認められることがあります。これは、税務上の大きなメリットとなるため、企業再編を行う際の重要な判断基準になります。...