年金用語集

年金や保険、請求権に関わる場面では「時効」という言葉を耳にすることがあります。ただし、時効が自動的に成立するわけではなく、権利を守るためには適切な手続きが必要です。今回は、時効を成立させる手続き「時効の援用」について、具体的な内容と注意点を解説します。 時効の基本 時効とは一定期間権利行使がされない場合に、権利が消滅したり、行使できなくなる制度です。たとえば、年金保険料の請求や給付請求などにも時効が存在します。 自動で成立するわけではない時効期間が過ぎただけでは、時効は自動的に成立しません。権利を守るためには、自ら手続きを行う必要があります。  ...

厚生年金保険の資格は、働く状況や年齢によって取得だけでなく喪失もあります。資格喪失のタイミングを理解しておくことで、保険料や年金の計算に影響が出ることを防げます。ここでは、資格喪失の具体的な時期と注意点をわかりやすく説明します。 資格喪失の基本 厚生年金の被保険者（適用事業所に使用される者や任意単独被保険者）は、次のいずれかに該当した日の翌日に資格を喪失します。 死亡したとき その事業所や船舶に使用されなくなったとき...

厚生年金保険の被保険者資格は、いつから取得するのか分かりにくいことがあります。資格取得のタイミングによって保険料や年金額に影響するため、正しく理解しておくことが大切です。ここでは、資格取得の具体的な時期や注意点をわかりやすく解説します。 資格取得の基本 厚生年金保険の被保険者資格は、70歳未満の人が次の場合に取得します。 適用事業所に使用されるようになった日 使用される事業所が適用事業所となった日...

算定基礎届は、厚生年金保険や健康保険の保険料を決める重要な手続きです。事業所が毎年年金事務所に届け出ることで、被保険者の保険料額が正しく計算されます。この記事では、算定基礎届の仕組みや定時決定・月額変更届についてわかりやすく解説します。 算定基礎届の基本 算定基礎届は、厚生年金保険や健康保険の被保険者の標準報酬月額を決めるために必要な手続きです。毎年7月1日現在の全被保険者（6月1日から7月1日までに資格取得した人を除く）について、事業所が年金事務所に提出します。届出には、4～6月の給与額とその平均月額を記入します。 標準報酬月額と定時決定 年金事務所は届出内容をもとに「標準報酬月額」を決定します。この標準報酬月額を用いて、その年の9月から翌年8月までの保険料徴収が行われます。この手続き全体を「定時決定」と呼びます。...

日本の年金制度は複雑ですが、専門家がサポートすることで安心です。年金に関する疑問や手続きをスムーズに進められるよう、専門家の役割を解説します。この記事では、年金分野の専門家が何をしているのか、どんな経験があるのかを紹介します。 年金専門家の役割 年金専門家は、日本の年金制度に精通し、複雑な制度や用語をわかりやすく解説します。保険料や年金額の計算、免除や追納などの手続きについて相談者をサポートすることが主な仕事です。さらに、老齢年金、障害年金、遺族年金など、各種年金の申請や受給方法についてもアドバイスします。 必要な経験とスキル 制度理解：国民年金や厚生年金など、日本の年金制度全般に精通。...

60歳以降に働きながら受け取る老齢厚生年金を「在職老齢年金」といいます。賃金と年金額によっては、年金の一部または全部が支給停止となることがあります。この記事では、在職老齢年金の仕組みや計算方法、注意点を解説します。 在職老齢年金の仕組み 在職老齢年金は、60歳以降に厚生年金保険に加入しながら受ける老齢厚生年金です。年金額と賃金の合計が一定額を超える場合、超過分の半額が年金から支給停止されます。令和7年度の調整額では、合計51万円を超える部分が対象です（※老齢基礎年金は全額支給されます）。 支給停止の変遷と対象 平成16年（2004年）改正前：老齢厚生年金の2割相当額を基準に支給停止が算出されていました。...

国民年金の保険料を免除や猶予で支払わなかった期間がある場合、将来の年金額が少なくなることがあります。しかし、追納制度を利用することで、過去の保険料を後から納め、年金額を増やすことが可能です。この記事では、追納の仕組みと注意点についてわかりやすく解説します。 追納とは？ 国民年金の追納とは、過去に免除や猶予を受けた期間の保険料を、後から納める制度です。老齢基礎年金を計算する際、免除や猶予期間は年金額に反映されず、未納と同様に年金額が減少します。そこで追納を行うことで、年金額を全額納付した場合に近い形に戻すことができます。 追納の対象と期間 追納できるのは、過去10年間に遡った免除・猶予期間の保険料です。ただし、すでに老齢基礎年金を受給している方は追納できません。納付する期間や金額によって、年金額への反映方法が変わるため、事前に確認が必要です。...

国民年金の保険料は、原則として 納期限から2年間 までしかさかのぼって納めることができません。 2年を過ぎると「時効」により納付ができなくなり、その分将来の年金額が減ったり、最悪の場合は年金を受け取れない可能性もあります。 こうした不利益を避けるため、過去には特例として「後納制度（こうのうせいど）」が設けられていました。...

「国民年金死亡者記録」という言葉をご存じでしょうか。これは、国民年金の記録管理において 特殊台帳とコンピュータ記録の不一致がある方のうち、すでに亡くなられた方の年金記録 を指します。 過去に年金記録問題が大きく報道されたことがありますが、死亡者の記録についても例外ではなく、不一致の解消にはご遺族の協力が必要となるケースがあります。 この記事では、国民年金死亡者記録の意味・不一致の背景・遺族がとるべき対応...

「国民年金基金連合会」という言葉を耳にしたことはあっても、具体的にどんな組織なのか分からない方は多いのではないでしょうか。実は、国民年金基金やiDeCo（個人型確定拠出年金）とも深い関係がある重要な法人です。 この記事では、国民年金基金連合会の役割や仕組み、そして私たちの年金とどのように関わっているのかを初心者向けに解説します。 国民年金基金連合会とは？ 国民年金基金連合会（こくみんねんきんききんれんごうかい） は、各地域や職域ごとに設立されている「国民年金基金」が共同で設立した法人です。...