券面額説とは

券面額説とは?わかりやすく解説|時価評価説との違いと会計上の扱い

企業会計や会社法における「券面額説(けんめんがくせつ)」という考え方は、特に債権を現物出資する場面やDES(デット・エクイティ・スワップ)に関係して登場します。一見専門的な用語ですが、企業の資本取引や債務処理を理解するうえで非常に重要な考え方です。この記事では、券面額説の意味や背景、時価評価説との違い、実務上のポイントをわかりやすく解説します。 券面額説とは 券面額説とは、債権などの借入金額を評価せず、券面上の金額(額面金額)をそのまま発行価額とみなす考え方を指します。つまり、債権の市場価値や時価を考慮せず、「契約上の金額」を基準に処理するというものです。 この説では、会社が負っている債務を評価替えしないため、資本金や出資額を計算する際にも券面金額がそのまま採用されます。 券面額説と時価評価説の違い...
建設仮勘定とは

建設仮勘定とは?仕訳・減価償却・消費税の処理までわかりやすく解説

企業が新しい建物や設備を建設する際、工事中に発生する支出はどのように会計処理すれば良いのでしょうか?完成していない資産をそのまま「固定資産」に計上してしまうと、正確な資産価値がわからなくなる可能性があります。そこで登場するのが「建設仮勘定(けんせつかりかんじょう)」です。本記事では、その仕組みから仕訳方法、税務上の扱いまでわかりやすく解説します。 建設仮勘定とは 建設仮勘定とは、企業が固定資産を建設中または製作中の段階で、その支出を一時的に記録しておくための勘定科目です。建物や機械などが完成して引き渡しを受けた段階で、建設仮勘定から「建物」や「機械装置」などの有形固定資産に振り替え、減価償却を開始します。 工事中の資産はまだ事業の用に供されていないため、会計上は「仮の資産」として処理します。これにより、工事費用を明確に管理し、資産の取得原価を正確に把握することができます。 建設仮勘定と固定資産の関係...
会計ビッグバンとは

会計ビッグバンとは?日本の会計制度を変えた大改革

1990年代後半、日本では「会計ビッグバン」と呼ばれる大規模な会計制度改革が始まりました。 これは、グローバル化が急速に進む中で、日本の会計基準を国際的なルールに近づけることを目的とした改革です。 海外企業との取引や国際市場での資金調達をスムーズに行うため、世界共通の会計基準に合わせた透明性の高い財務情報が求められるようになったのです。 会計ビッグバンの背景と目的 1990年代、日本企業の多くが海外進出を進めていました。...
企業集団とは

企業集団とは?六大企業集団の歴史や特徴、現代のホールディングカンパニーとの違いを解説

企業集団(きぎょうしゅうだん)とは、株式の持ち合いや取引、資金関係などを通じて密接なつながりを持つ企業の集合体のことです。一見すると財閥と似ていますが、企業集団はより緩やかな関係で形成されており、近年では持株会社(ホールディングカンパニー)によって支配構造が再び強化されつつあります。この記事では、企業集団の意味、歴史的背景、六大企業集団の特徴、そしてサプライチェーンとしての側面について詳しく解説します。 企業集団の基本的な考え方 企業集団とは、事業提携や株式相互持合、融資関係などで緊密な関係を持つ企業群を指します。個々の企業が完全に上下関係にある「企業グループ(親会社・子会社関係)」とは異なり、企業集団では横のつながりが重視されるのが特徴です。 たとえば、大企業同士が業界を越えて出資関係を結んだり、銀行を中心に取引企業が結束する形が典型です。これにより、企業同士は資金面・取引面・経営戦略面などで強い連携を持つことになります。 六大企業集団とは?日本経済を支えた巨大ネットワーク...
個別財務諸表とは

個別財務諸表とは?連結財務諸表との違いや包括利益の必要性をわかりやすく解説

企業会計において欠かせないのが「財務諸表」です。 その中でも「個別財務諸表」は、企業単体の経営状況を把握するうえで基本となる資料です。 この記事では、個別財務諸表の意味や連結財務諸表との違い、作成時の注意点、そして包括利益の表示が必要かどうかを専門家の視点から詳しく解説します。 個別財務諸表とは 個別財務諸表とは、1つの企業単体の財務状況や経営成績を示すために作成される決算書類です。金融商品取引法や会社法などに基づき作成され、主に以下の書類で構成されます。...
逆取得とは

逆取得とは?意味・会計処理・具体例までわかりやすく解説

企業の合併や再編では「吸収合併」「株式交換」など、さまざまな形があります。その中でも少し特殊なのが「逆取得(ぎゃくしゅとく)」です。一見すると小さな会社が大きな会社を“取得したように見える”このケースは、会計処理上も注意が必要な取引形態です。 逆取得とは 逆取得とは、吸収合併などの企業再編において、法律上の存続会社が消滅会社の株主に株式を交付した結果、消滅会社の株主が存続会社の議決権の過半数を握るようになった場合を指します。つまり、法律上はA社がB社を吸収合併したように見えても、実際にはB社の株主がA社を支配するようになる状況です。 一般的な企業結合(通常の取得)では、存続会社が支配権を持ちますが、逆取得ではその関係が「逆転」します。そのため「逆取得(reverse acquisition)」や「逆さ合併」と呼ばれることがあります。...
合弁会社とは

合弁会社とは?設立のメリット・出資比率の決め方・成功事例までわかりやすく解説

企業が新しい市場へ進出したり、大規模な事業を展開したりする際に、「合弁会社(ジョイントベンチャー)」という形態が注目を集めています。複数の企業が協力して新たな価値を生み出すこの仕組みは、成長戦略の一つとして非常に有効です。本記事では、合弁会社の基本から設立手順、出資比率の考え方、そして成功事例まで、わかりやすく解説します。 合弁会社(ジョイントベンチャー)とは 合弁会社とは、複数の企業が互いの経営資源を持ち寄り、共同で事業を運営するために設立する会社のことです。英語では「Joint Venture(ジョイントベンチャー)」と呼ばれ、単なる業務提携とは異なり、新たな法人格を持つ点が特徴です。各企業が出資金を分担し、共同で経営や意思決定を行うため、より強固なパートナーシップが築かれます。 合弁会社と他の会社形態との違い...
会計方針とは

会計方針とは?意味・例・変更時の注意点をわかりやすく解説!

企業の財務諸表を読み解くときに、必ず目にするのが「会計方針(かいけいほうしん)」という言葉。実はこの「会計方針」は、企業の利益額や財務状況の見え方を大きく左右する、とても重要な要素です。この記事では、会計実務のプロの視点から「会計方針とは何か」「どんな種類があるのか」「変更する際のルール」までを、初心者にもわかりやすく解説します。 🔹 会計方針とは? 会計方針とは、財務諸表を作成する際に企業が採用する会計処理の原則や手続きのことをいいます。(出典:過年度遡及会計基準第4項(1)) 例えば、同じ「棚卸資産(在庫)」でも、...
偶発債務とは

偶発債務とは?意味・仕訳例・会計処理までわかりやすく解説

企業会計では「まだ発生していないけれど、将来発生するかもしれない債務」が存在します。それが 「偶発債務(ぐうはつさいむ)」 です。 本記事では、偶発債務の意味から、仕訳のやり方、引当金との違い、会計基準における注記のルールまでを、実務経験のある会計専門家がわかりやすく解説します。 🔍...
後発事象とは

後発事象とは?修正・開示の違いと監査でのポイント

決算を終えてホッと一息…と思った矢先に、企業の財務に大きな影響を与える出来事が発生することがあります。たとえば、主要取引先の倒産や自然災害による損害など。 こうした「決算日以降」に発生した事象をどう会計処理すべきか――それが今回のテーマ「後発事象(こうはつじしょう)」です。 本記事では、企業会計における後発事象の定義から、修正・開示の違い、監査での取り扱いまで、実務的な観点からわかりやすく解説します。 🔍 後発事象とは?基本の定義を理解しよう...