クレジットカード決済のセキュリティ強化が求められる中で、多くのECサイトやオンラインサービスが採用しているのが 「トークン型決済」 です。
カード情報を安全に扱うための仕組みとして広く普及しており、 PCI DSS対策 や 不正利用防止 の観点からも非常に重要な方式です。
この記事では、決済インフラに精通した専門家として、トークン型決済の仕組み・メリット・導入ポイント をわかりやすく解説します。
🔍 トークン型決済とは?(基本の意味)
トークン型決済とは、ユーザーが入力したクレジットカード情報を、
「トークン」と呼ばれる別の文字列に置き換えて決済処理を行う方式のことです。
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カード情報 → トークン(外部から逆算できないランダムな文字列)
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トークンを使って決済を実行
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事業者側のシステムにはカード情報が残らない
この方式は「トークン決済」や「JavaScript型決済」と呼ばれることもあります。
🔐 トークンを使う理由:なぜトークン化が必要?
従来の方式では、
ECサイトのサーバーを経由してカード情報を決済代行会社へ送信していました。
しかし、この方法には次のようなリスクがあります:
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サーバーが攻撃された際にカード情報が漏洩する
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PCI DSSの厳しい準拠が必要
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カード情報の取り扱いに高いセキュリティコストが発生する
そこで 事業者のサーバーをカード情報が一切通らない しくみとして、
トークン型決済が広まりました。
🧩 トークン型決済の仕組み(わかりやすく図解風に)
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購入者がカード番号を入力
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決済代行会社のサーバーでトークンを生成
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ECサイトには トークンのみ が送られる
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トークンを用いて決済処理を実行
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カード情報は事業者側に残らない
つまり、事業者は カード情報非保持 を実現できます。
👍 トークン型決済のメリット
① 事業者側がカード情報を保持しない
サーバーでの情報漏洩リスクが激減します。
② PCI DSS準拠の負担が軽くなる
カード情報を保持しないため、
実務上の要求範囲(SAQ)が大幅に軽減されます。
③ セキュリティが強化され、不正利用防止につながる
トークン自体は意味のないランダム文字列なので、
盗まれても決済に利用できません。
④ 導入が比較的容易
多くの決済代行会社が JavaScriptタグを貼るだけ で導入できる方式を提供しています。
💡 どんなサービスがトークン型決済に向いている?
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ECサイト(物販・デジタルコンテンツ)
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サブスクリプションサービス
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Webアプリ・オンラインゲーム
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マッチングサービス
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予約システム
特に オンライン完結型サービス は、
セキュリティ要件を満たすためにほぼ必須レベルで採用しています。
⚠️ 導入時の注意点
✔ API型と混同しないこと
「API型」は自社サーバー経由でカード情報を扱うため、
PCI DSSの負荷はより重くなります。
トークン型とは仕組みが異なるので注意が必要です。
✔ トークンの管理方法に注意
カード情報ではなくても、「決済に使える情報」であるため、
適切に保護する必要があります。
✔ 3Dセキュアとの併用を検討
不正利用対策として、
3Dセキュア2.0(本人認証) をセットで使うケースが増えています。
📌 トークン型決済は今後も主流方式になる
EC市場拡大と同時に、カード情報漏洩事件も増加しています。
その中で トークン型決済は、事業者もユーザーも安心できる「標準的な接続方式」 として普及し続けています。
セキュアで導入もしやすいことから、
今後も多くの決済代行会社・オンラインサービスが採用していくでしょう。
🔚 まとめ:トークン型決済のポイント
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カード情報をトークン(別文字列)に置き換えて決済する方式
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事業者はカード情報を保持せず、セキュリティが大幅に向上
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PCI DSS負担が軽くなり、導入もしやすい
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ECやサブスクなど多くのオンラインサービスに最適
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不正利用防止として3Dセキュアと併用するのが一般的
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