会計や経済のニュースを読んでいると「ストックとフロー」という言葉をセットで見かけること、多いですよね。
でも、この2つの違いを説明しようとすると、意外と迷うものです。
この記事では、初心者でもスッと理解できるように、具体例を交えながらフローの意味をわかりやすく解説します。
フローを正しく理解すると、企業会計の読み解きも経済ニュースの理解もぐっとラクになります。
フローとは「一定期間の収支の流れ」
経済・会計におけるフロー(Flow)とは、ざっくり言うと「ある期間にどれだけ動いたか」という数字のことです。
例えばこの3つはすべてフローに該当します。
・1年間の収入
・1年間の支出
・1年間の貯蓄額
ポイントは「結果として増えた・減った金額も期間内に発生した動きなので、フローとして扱う」という点です。
例で理解するフローとストック
たとえば、次のようなケースを考えてみましょう。
・その年の総所得:1000万円
・生活費として消費:800万円
・残りの貯蓄:200万円
・年末時点の貯蓄総額:2000万円
このとき、
フロー(期間内の動き)
・収入 1000万円
・支出 800万円
・貯蓄 200万円
ストック(ある地点の蓄積)
・年末の貯蓄残高 2000万円
貯蓄は「お金が増える行為」なので、これは立派なフローです。終わったあとの残高がストックという関係ですね。
よくある誤解として、「フロー=動き、ストック=貯蓄」と覚えてしまう人がいますが、それだと貯蓄という行為(フロー)と、貯蓄残高(ストック)が混ざってしまうので注意です。
フローが活用される代表例
フローはあらゆる経済指標や企業情報で使われます。代表的なものはこの2つ。
国内総生産(GDP)
GDPは「1年間に国内で生み出された付加価値の総計」。これはまさにフローの典型です。
期間内の動きを表しているので、経済成長を見るときに役立ちます。
損益計算書(PL)
企業が1年間に「どれだけ儲かったか」をまとめた書類。売上や費用、利益といった数字はすべてフローです。
一方の貸借対照表(BS)はある時点の資産・負債・純資産を示すストック。
会計ではこのPLとBSをセットで読むことで、企業の状態をより正確に理解できます。
フローを理解すると何が良いのか?
フローは「期間内の成果」なので、単体で見るより、複数期間を比較することで価値が生まれます。
・企業なら:業績の改善トレンド
・国なら:経済成長率や景気の方向性
フローの変化は未来予測につながりやすいので、経営判断や投資判断にも役立ちます。
まとめ
フローとは「一定期間にどれだけお金や価値が動いたか」を示す数字。
ストックとは「ある時点でどれだけ蓄えられているか」。
この2つの違いを押さえておくと、会計書類も経済ニュースも格段に読みやすくなります。
会計初心者ほど、まずフローとストックの考え方を押さえると理解のスピードがぐっと上がりますよ。続きが気になったら、損益計算書や貸借対照表の読み方も深掘りしてみると面白くなるはずです。
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