企業が設備や機械を導入する際、「購入」と「リース」という選択肢があります。
リース取引は、初期費用を抑えつつ設備を利用できる便利な方法ですが、注意点や経理処理の違いも存在します。
本記事では、リース料の仕組みやメリット・デメリット、経理上の扱いをわかりやすく解説します。
リース取引とは?
リース取引とは、リース会社など貸手から機械や設備などの物件を賃貸借する取引のことです。
一見レンタルに似ていますが、レンタルとは異なります。
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レンタル:貸手がすでに所有する物件を不特定多数に貸す
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リース:貸手が借手の要望に応じて物件を購入し、借手に貸す
つまり、リースは「物件の貸借」というよりも「金銭的な貸借」に近い性質を持っています。
リース取引のメリット
リース取引には、設備導入や資金管理において多くのメリットがあります。
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初期費用が少なくて済む
物件購入時にはまとまった資金が必要ですが、リースは月々のリース料のみ。初期費用を抑えられます。 -
融資枠を使わず審査期間も短い
銀行融資と違い、リースは融資枠を消費せず、審査も比較的短期間で完了するケースが多いです。 -
管理の手間が少ない
所有権が貸手にあるため、固定資産税や保険、定期メンテナンスも貸手が対応。経理や管理の負担が軽減されます。
リース取引のデメリット
一方で、リース取引には注意すべきデメリットもあります。
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リース料の総額が高くなることがある
リース料には購入費用、金利、保険料、リース会社の利益が含まれるため、購入と比較して総額が高くなる場合があります。 -
リース期間終了後の所有権の問題
リース物件は貸手の所有物であり、期間終了後も使用する場合は追加のリース料が必要になることがあります。特に長期間使う資産では注意が必要です。
リース料の経理処理
リース取引の経理処理は、契約内容によって異なります。大きく分けて以下の2種類があります。
1. ファイナンス・リース取引
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特徴:中途解約不可、フルペイアウト(物件の経済的利益とコストを実質的に負担)
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経理処理:資産を購入した場合と同様に扱い、リース資産を計上し、減価償却で費用化
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ポイント:ほぼ所有している状態と同じ扱いになる
2. オペレーティング・リース取引
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特徴:ファイナンス・リースの要件を満たさないもの(一般的なレンタルも含む)
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経理処理:リース料支払い時に費用化(賃貸借処理)
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ポイント:資産計上せず、支払額をそのまま経費として処理
まとめ
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リースのメリット:初期費用を抑えられ、融資枠に影響せず、管理負担も軽減
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リースのデメリット:リース料総額が高く、期間終了後の所有権に注意
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経理処理:契約内容により「ファイナンス・リース」と「オペレーティング・リース」に分類され、それぞれ処理方法が異なる
リース取引を活用する際は、メリット・デメリットを踏まえた上で契約内容を確認し、適切な経理処理を行うことが重要です。
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