FX取引を始めるうえで、利益や取引手法と同じくらい重要なのが「資金の安全性」です。
その資金を守るための制度として、日本のFX業界で必ず押さえておきたい仕組みが信託保全です。
この記事では、日本のFX(外国為替証拠金取引)分野で5年以上の実務・取引経験を持つ立場から、信託保全の基本的な意味、仕組み、実際の取引との関係、そして初心者が確認すべき注意点までを、わかりやすく解説します。
信託保全とは何か
信託保全(しんたくほぜん)とは、投資家から預かった証拠金や取引による損益、スワップポイントなどの顧客資産を、FX会社自身の資産とは完全に分別し、信託銀行に信託して管理する仕組みを指します。
簡単に言えば、
「FX会社が預かっているお金を、勝手に使えないように第三者(信託銀行)が管理する制度」
という理解で問題ありません。
日本では、金融商品取引法により、FX会社は顧客資産を自社資金と分別して管理することが義務付けられています。
なぜ信託保全が重要なのか
信託保全が重要視される最大の理由は、万が一FX会社や証券会社が破綻した場合でも、顧客の資産が守られる点にあります。
通常、企業が破綻すると、その会社の資産は債権者への返済に使われます。
しかし、信託保全が行われている場合、顧客の資産はFX会社の財産とは別物として扱われるため、原則として返還されます。
つまり、
FX会社の経営状態と、あなたの預けた証拠金は切り離されている
という点が、信託保全の大きな安心材料です。
FX取引における信託保全の対象資産
一般的に、信託保全の対象となるのは以下のような資産です。
・取引前に入金した証拠金
・ポジションの含み損益を含めた取引資産
・スワップポイントによる損益
これらはすべて、FX会社の運転資金とは別に管理され、信託銀行で保全されます。
実際の取引シーンでのイメージ
例えば、あなたがFX会社に10万円を入金し、ドル円の取引を行っているとします。
この10万円は、FX会社の口座に「預けている」形にはなりますが、実際には信託銀行に信託され、FX会社が自由に使えるお金ではありません。
仮に、そのFX会社が経営破綻した場合でも、信託保全が適切に行われていれば、
信託銀行を通じて顧客資産は返還される仕組みになっています。
初心者が注意すべきポイント
信託保全があるからといって、すべてが完全にノーリスクというわけではありません。
以下の点には注意が必要です。
・信託保全の方法(全額信託か、一部信託か)を事前に確認する
・海外FX業者は日本の信託保全制度が適用されないケースが多い
・相場急変時の損失そのものは信託保全では防げない
信託保全は「会社破綻リスク」を軽減する制度であり、
トレードによる損失やロスカットを防ぐものではない点を正しく理解しておくことが大切です。
まとめ
信託保全とは、FX会社が顧客から預かった資産を信託銀行で分別管理し、万一の破綻時にも投資家の資金を守るための重要な仕組みです。
FX初心者にとっては、取引手法やチャート分析以前に、
「そのFX会社が信託保全を行っているかどうか」
を確認することが、安心して取引を続けるための第一歩になります。
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