加重移動平均線(かじゅういどうへいきんせん/Weighted Moving Average・WMA)は、直近の価格により大きな比重を置いて計算される移動平均線です。
単純移動平均線よりも価格変動への反応が速く、相場の流れを早めに捉えやすい特徴があります。
FX取引では、トレンド判断やエントリータイミングの補助指標として幅広く活用されています。
加重移動平均線(WMA)の仕組み
加重移動平均線は、最新のローソク足ほど重みを大きくし、過去の価格ほど重みを小さくして平均値を算出します。
この計算方法により、現在の相場状況が移動平均線に反映されやすくなります。
例えば、10期間のWMAの場合、直近の価格が最も大きな影響を持ち、古い価格の影響は相対的に小さくなります。
そのため、価格が動き出した際に、線の向きや角度が素早く変化します。
単純移動平均線(SMA)との違い
単純移動平均線は、過去の価格をすべて同じ重みで平均化するため、動きがなだらかになりやすいです。
一方で、加重移動平均線は価格変動への反応が速く、トレンドの初動を捉えやすいというメリットがあります。
ただし、反応が速い分、相場が横ばいのときにはダマシが増えやすい点には注意が必要です。
FX取引での加重移動平均線の使い方
トレンド判断に使う方法
加重移動平均線が上向いていれば上昇トレンド、下向いていれば下降トレンドと判断するのが基本です。
価格がWMAの上で推移している場合は買い目線、下で推移している場合は売り目線になります。
エントリータイミングの例
上昇トレンド中に価格が一時的にWMAまで下落し、再び反発した場面は、押し目買いの判断材料になります。
下降トレンドでは、その逆で戻り売りの目安として利用されます。
加重移動平均線を使う際の注意点
加重移動平均線は万能な指標ではなく、単体での判断はリスクがあります。
特にレンジ相場では売買シグナルが頻発し、損切りが続く可能性があります。
そのため、RSIやMACDなどのオシレーター系指標、またはサポートラインやレジスタンスラインと併用することが重要です。
まとめ|加重移動平均線はトレンド初動を捉える指標
加重移動平均線は、直近の値動きを重視することで相場の変化に素早く反応するテクニカル指標です。
FX初心者にとっても理解しやすく、トレンド判断やエントリーの補助として有効に活用できます。
他のテクニカル指標と組み合わせながら、自分のトレードスタイルに合った使い方を見つけることが成功への近道です。
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