「厚生年金基金って聞いたことあるけど、普通の厚生年金と何が違うの?」「もう廃止されたって本当?」
そんな疑問を持つ方に向けて、厚生年金基金の仕組みや役割、現在の状況まで丁寧に解説します。
✅ 厚生年金基金とは?【読み方:こうせいねんきんききん】
厚生年金基金とは、国が支給する老齢厚生年金の一部(報酬比例部分)を企業が代行し、そのうえで企業独自の上乗せ年金を支給する制度のことです。
制度の運営は、企業や業界ごとの「基金」が行い、さらにそれらをまとめる団体として「企業年金連合会」が存在します。
📌 ポイント
-
公的年金(厚生年金)の一部を企業が代行して給付
-
上乗せ部分として、企業独自の年金給付も実施
-
**確定給付企業年金(DB型)**の一種
🧾 厚生年金基金の仕組みと目的
厚生年金基金は、主に企業が従業員の老後の生活を支援するために設けた私的年金制度です。
✔ 基本的な構造:
-
厚生年金(報酬比例部分)を企業が肩代わりして支給(代行)
-
その上に、**独自の上乗せ年金(プラスアルファ)**を支給
これにより、従業員は国の年金に加えて、手厚い退職後の年金を受け取ることができます。
💡 実際のシチュエーション:どういう企業が導入していたの?
厚生年金基金は、大企業や業界団体などが導入していたケースが多く、例として以下のようなケースがありました:
-
大手製造業(例:自動車メーカー)
-
業界全体で一括して管理していた建設業系基金
-
地方自治体関連の基金など
🔄 制度の見直しと現状は?
❗ 制度は現在「廃止の方向」
厚生年金基金は制度としては残っていますが、2025年3月までにすべて解散・移行する方針が取られており、新規設立は2012年以降できなくなっています。
⚠ 背景にある問題
-
資産運用の失敗や経営悪化により、一部基金が給付を支えきれなくなった
-
国の年金制度との二重構造による不透明さ
-
会計・ガバナンス上の不備など
こうした理由から、国は厚生年金基金制度の廃止を決定。現在は、確定給付企業年金(DB)や確定拠出年金(DC)など、他の企業年金制度への移行が進められています。
📌 代行返上とは?
厚生年金基金が国の年金(報酬比例部分)の支給を代行していた部分を、**国に返す(=代行返上)**手続きのことを指します。
代行返上した場合、企業年金部分のみが残り、国の年金は本来通り国が給付することになります。
🔍 よくある質問(FAQ)
Q1. いま厚生年金基金に入っている人はどうなるの?
→ 基金が解散した場合、企業年金連合会が給付を引き継ぎます。将来的にも年金の受給は保証されます。
Q2. 厚生年金基金はどんなメリットがあったの?
→ 手厚い上乗せ給付や、企業が一括して運用することで効率的な資産形成ができるというメリットがありました。
Q3. 今後、同じような制度はできるの?
→ 同様の企業年金として、「確定給付企業年金(DB)」や「確定拠出年金(DC)」が現在主流です。これらが代替制度となります。
✅ まとめ|厚生年金基金は時代とともに役割を終えつつある制度
厚生年金基金は、かつて多くの企業が従業員の老後の生活を支えるために導入していた制度です。
しかし、時代の変化や経済的背景により、その役割は終わりに近づいています。
今後は、確定給付年金や確定拠出年金など、より透明性と柔軟性のある制度に移行していく流れとなるでしょう。
さらに参照してください: