年金制度の中でよく耳にする「報酬比例部分」。
これは、厚生年金に加入していた人の給与(報酬)に応じて決まる年金額のことを指します。
この記事では、報酬比例部分の意味や計算の仕組み、老齢厚生年金などとの関係を初心者にもわかりやすく解説します。
報酬比例部分とは?
「報酬比例部分」とは、基礎年金(国民年金)に上乗せされる厚生年金部分を指します。
厚生年金に加入して働いた期間と、その間の**標準報酬月額(給与水準)や標準賞与額(ボーナス)をもとに計算されるため、長く働いた人・給与が高かった人ほど年金額が多くなる仕組みです。
報酬比例部分が関わる年金の種類
報酬比例部分は、次の年金の支給額を計算する際に基礎となります。
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老齢厚生年金(65歳からの年金を含む)
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遺族厚生年金(亡くなった人の年金を家族が受け取る場合)
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障害厚生年金(病気やけがで障害が残った場合)
つまり、厚生年金に加入していた人の「保障の土台」となる部分が報酬比例部分なのです。
報酬比例部分の計算方法(イメージ)
実際の計算は複雑ですが、基本の考え方はシンプルです。
報酬比例部分 = 平均標準報酬月額 × 乗率 × 加入月数
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平均標準報酬月額:加入期間中の給与水準の平均
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乗率:法律で定められた計算のための係数(世代によって異なる)
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加入月数:厚生年金に加入していた期間
具体例
例えば、40年間(480か月)厚生年金に加入し、平均標準報酬月額が30万円だった場合、報酬比例部分はその給与と加入期間を反映して決まります。
報酬比例部分と基礎年金の関係
日本の公的年金は「2階建て構造」とよく表現されます。
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1階部分:基礎年金(国民年金)
全国民が共通して受け取れる部分 -
2階部分:報酬比例部分(厚生年金)
会社員や公務員など厚生年金に加入していた人が受け取れる上乗せ部分
この仕組みによって、働いていた人の年金額には差が生じるのです。
まとめ
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報酬比例部分は、厚生年金の年金額を決める基礎となる部分
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平均標準報酬月額や加入期間をもとに計算される
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老齢厚生年金、遺族厚生年金、障害厚生年金の支給額に関わる
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日本の年金制度は「基礎年金+報酬比例部分」の2階建て構造
自分の将来受け取れる年金額をイメージするうえで、報酬比例部分の仕組みを理解することはとても重要です。
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