「平均標準報酬月額(へいきんひょうじゅんほうしゅうげつがく)」という言葉は、年金に関する説明でよく出てきますが、聞き慣れない方も多いのではないでしょうか。
実はこの数字、老齢厚生年金の金額を決める基礎となる非常に重要な指標なのです。
この記事では、平均標準報酬月額の意味や計算方法、そして実際の年金額との関係についてわかりやすく解説します。
平均標準報酬月額とは?
平均標準報酬月額とは、簡単に言えば 厚生年金に加入していた期間の「お給料の平均値」 のことです。
具体的には、
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被保険者であった期間の「標準報酬月額」の合計を
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被保険者であった月数で割った金額
を指します。
この金額をもとにして、将来受け取る老齢厚生年金の額が計算されます。
計算方法のポイント
① 標準報酬月額とは?
標準報酬月額とは、毎月の給与を一定の幅ごとに区分した「年金計算上の給与の目安」です。実際の給与額ではなく、便宜的に区分された額を使うのが特徴です。
② 再評価率による調整
昔の給与をそのまま平均すると、インフレや賃金水準の変化を反映できません。
そのため、過去の標準報酬月額には「再評価率」をかけて、現在の価値に換算してから平均を計算します。これにより、若いころの給与も今の価値に直して公平に反映されます。
平成15年4月以降の変更:「平均標準報酬額」
平成15年(2003年)4月からは「総報酬制」が導入され、給与に加えて賞与も年金額の計算に反映されるようになりました。
このため、それ以降の期間については「平均標準報酬月額」ではなく、給与+賞与を合算した「平均標準報酬額」 が用いられます。
具体例でイメージしてみよう
例えば、ある方が厚生年金に40年間加入し、標準報酬月額の平均が30万円だった場合、
老齢厚生年金の報酬比例部分は以下のように計算されます。
(※実際には平均標準報酬額の時代区分や再評価率の調整が入りますが、ここではイメージを簡略化しています)
この式からもわかるように、平均標準報酬月額が高いほど、将来の年金額も増えることになります。
まとめ
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平均標準報酬月額は、厚生年金の年金額を決める基礎となる数字。
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計算には過去の給与を「再評価率」で現在の価値に換算して反映する。
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平成15年4月以降は賞与も含めた「平均標準報酬額」が使われる。
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将来の年金額を考えるうえで、給与水準と加入期間が大きなカギとなる。
年金制度は複雑に見えますが、仕組みを知ると「なぜ今の収入や働き方が将来の年金に影響するのか」がよくわかります。
自分の将来の年金額を知りたい方は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して確認してみましょう。
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