生命保険に加入していても、ライフスタイルの変化や家計の事情によって「これ以上保険料を払い続けるのが難しい…」という状況に陥ることは珍しくありません。
そんなときの一つの選択肢が「払済保険(はらいずみほけん)」です。
この記事では、払済保険の仕組みやメリット・デメリット、具体的な注意点をわかりやすく解説します。
払済保険とは?
払済保険とは、保険料の支払いをストップし、その時点での解約返戻金(かいやくへんれいきん)を使って、新たに「保険期間が同じ生命保険」に切り替える方法です。
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保険料の支払いはもう不要
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保険期間(契約の有効な期間)は変わらない
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ただし、保障額(死亡保険金など)は減少する
👉 簡単に言えば、「いままで積み立てたお金で小さな保険に組み替える仕組み」とイメージするとわかりやすいです。
払済保険に切り替えた場合の特徴
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保障額が下がる
払済保険に変更すると、元の契約よりも保障額が低くなるのが一般的です。 -
特約は消滅する
医療特約や災害特約など、主契約に付加していた特約はすべて消滅します。
ただし、例外として「リビング・ニーズ特約」のみ継続されることが多いです。 -
解約返戻金が少ない場合は利用できない
払済保険に移行できるのは、ある程度の解約返戻金がある契約に限られます。積立部分が少ない保険では払済にできないケースもあります。
払済保険を選ぶメリット
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保険料を払わなくてよい
家計の負担をなくしつつ、最低限の保障を残せます。 -
解約よりは安心
解約してしまうと保障はゼロになりますが、払済保険なら少額でも保障が残ります。
払済保険のデメリット・注意点
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保障が大幅に減る可能性がある
例えば、当初は「死亡保険金1,000万円」だったものが、払済保険にすると「300万円」に減ることもあります。 -
特約が使えなくなる
医療保障や先進医療保障など、必要な特約も消滅してしまうため、医療費リスクに備えたい人には不十分になる可能性があります。 -
元に戻せない
払済保険に切り替えると、再び保険料を払い始めて元の契約内容に戻すことはできません。
払済保険を検討すべきシチュエーション
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収入減やリストラなどで、長期的に保険料を支払い続けるのが困難になったとき
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保険を解約するか迷っているが、完全に保障をゼロにするのは不安なとき
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老後の生活費を優先したいが、最低限の死亡保障は残しておきたいとき
👉 例えば、子どもが独立して生活資金をあまり必要としなくなった家庭では、「高額な保障は不要だから払済にして少額保障に切り替える」という判断も合理的です。
まとめ
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払済保険=解約返戻金を使って保障額を減らしつつ保険を継続する方法
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保険料は不要になるが、保障額は下がり、特約もなくなる
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解約するよりは安心だが、保障を大きく維持したい人には不向き
払済保険は「保険料を払えない」と悩んだときの救済策ですが、メリットとデメリットをしっかり理解した上で選ぶことが大切です。
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