損害保険料控除制度とは

損害保険料控除制度とは?わかりやすく解説

損害保険料控除制度(そんがいほけんりょうこうじょせいど)とは、火災保険などの損害保険に加入し保険料を支払った場合、その支払額に応じて所得税や住民税が軽減される制度のことです。

契約者の課税所得から一定額が差し引かれることで、税負担を減らす仕組みでした。

しかし、この制度は平成19年分の所得税から廃止されています。

現在は新規契約に対して損害保険料控除を受けることはできません。

1. 対象となっていた保険

かつて損害保険料控除の対象になっていたのは、主に以下のような保険です。

  • 火災保険

  • 地震保険(※後述の地震保険料控除へ移行)

  • 風水害保険 など

一方で、自動車保険は原則として対象外でした。

2. 廃止の背景

損害保険料控除は、税制の簡素化制度の整理を目的に平成19年分から廃止されました。
代わりに、災害リスクに対する備えを促すため、地震保険料控除が新たに創設され、現在はこちらが利用できます。

3. 現在利用できる関連控除

損害保険料控除はなくなりましたが、似た仕組みとして次の控除制度があります。

  • 生命保険料控除
    生命保険や医療保険に支払った保険料に応じて、所得税・住民税が軽減されます。

  • 介護医療保険料控除
    介護保険や医療保険に加入している場合に適用されます。

  • 地震保険料控除
    地震保険料の支払い額に応じて、所得税・住民税が軽減されます。

 

4. 旧制度を利用していた場合の注意点

廃止以前に契約した長期契約の保険は、一部経過措置が設けられていましたが、現在はほとんどが終了しています。古い契約を継続している場合でも、控除が適用されるかどうかは税務署や保険会社に確認することが大切です。

まとめ

損害保険料控除は、かつて火災保険などの契約者が税負担を軽減できる制度でしたが、平成19年分から廃止され、現在は利用できません。代わりに、地震保険料控除や生命保険料控除など、他の控除制度を活用することが重要です。

保険に加入する際は、補償内容だけでなく税制面のメリットも合わせて確認することで、より賢く備えることができます。

さらに参照してください:

損害保険料率算出機構とは?役割と仕組みをやさしく解説