損害率とは

損害率とは?意味と計算方法をわかりやすく解説

**損害率(そんがいりつ/Loss Ratio)**とは、損害保険において「保険会社が受け取った保険料」に対して、「支払った保険金」がどれくらいの割合を占めるかを示す指標です。
簡単にいえば、集めた保険料のうち、どれだけ保険金として支払ったかを表す割合のことです。

損害率の計算式

損害率は、次の式で計算します。

損害率 = 保険金 ÷ 保険料 × 100(%)

ただし、実務ではもう少し正確に計算されます。
具体的には、

損害率 = (正味保険金 + 損害調査費) ÷ 正味保険料 × 100(%)
  • 正味保険金:再保険に出した分などを差し引いた実質的な保険金

  • 損害調査費:事故調査や鑑定にかかった費用

  • 正味保険料:再保険の受け払いを調整した実質的な保険料

 

損害率の具体例

例えば、ある自動車保険の商品で、1年間に

  • 保険料収入:10億円

  • 支払った保険金:6億円

  • 損害調査費:0.5億円

だった場合の損害率は、

(6億円 + 0.5億円) ÷ 10億円 × 100 = 65%

この場合、集めた保険料の65%が保険金や調査費として支払われていることになります。

損害率が示す意味

損害率は、保険会社の収支バランスや経営状況を把握する重要な指標です。

  • 損害率が高すぎる(例:90%以上)
    → 保険金の支払いが保険料収入に比べて多く、赤字になるリスクが高い

  • 損害率が低すぎる(例:30%以下)
    → 保険金支払いが少なく、契約者から見れば「保険料が高いのでは?」と感じられる可能性あり

 

損害率と保険料率の関係

保険会社は、損害率のデータをもとに翌年度以降の保険料率(保険料の計算基準)を見直します。
例えば、交通事故が多発して損害率が急上昇した場合、翌年の自動車保険料が値上げされることがあります。

まとめ

  • 損害率=支払保険金の割合を示す重要指標

  • 計算式は「(正味保険金+損害調査費)÷正味保険料 ×100%」

  • 高すぎても低すぎても問題があり、保険料率の改定にも直結する

保険のニュースで「今年の自動車保険の損害率は上昇」という言葉を聞いたら、
「事故や災害が多く、支払保険金が増えたのかな?」と考えると理解しやすいでしょう。

さらに参照してください:

損金算入とは?意味・ルール・保険契約での取扱いをやさしく解説