期首商品棚卸高とは

期首商品棚卸高とは?仕訳・消費税・売上原価の計算までわかりやすく解説

期首商品棚卸高は、簿記や決算処理でよく出てくる勘定科目です。
この記事では、「期首商品棚卸高」の意味から仕訳方法、消費税の扱い、売上原価の計算方法まで、初心者でも理解できるように丁寧に解説します。

目次

  1. 期首商品棚卸高とは?

  2. 期首商品棚卸高の仕訳例

  3. 期首商品棚卸高の消費税区分

  4. 期首商品棚卸高と期末商品棚卸高の関係

  5. 売上原価の計算に期首・期末棚卸高は必須

  6. まとめ・経理担当者向けの便利ツール紹介

 

1. 期首商品棚卸高とは?

期首商品棚卸高とは、「期首時点における商品在庫の金額」を指します。
つまり、前期の期末商品棚卸高がそのまま翌期の期首商品棚卸高として引き継がれます。

商品在庫の評価方法には、以下のような方法があります:

  • 先入先出法(FIFO)

  • 移動平均法

  • 最終仕入原価法

これらの方法で評価された期末在庫は、貸借対照表の「商品」として表示され、翌期首に引き継がれます。

2. 期首商品棚卸高の仕訳例

期首商品棚卸高は、決算時に仕訳として登場します。売上原価を計算する際、三分法を用いて処理することが一般的です。

例:仕訳の流れ

  • 期首商品棚卸高:15,000円

  • 当期仕入高:390,000円

  • 当期売上高:500,000円

  • 期末商品棚卸高:10,000円
    ※消費税は考慮しない

仕入時

借方 貸方
商品仕入 390,000円 買掛金など 390,000円

売上時

借方 貸方
売掛金など 500,000円 売上高 500,000円

決算時の処理

  1. 期首商品を仕入勘定に振替
    | 借方 | 貸方 |
    |——|——|
    | 商品仕入 15,000円 | 繰越商品 15,000円 |

  2. 期末商品を仕入勘定から除外
    | 借方 | 貸方 |
    |——|——|
    | 繰越商品 10,000円 | 商品仕入 10,000円 |

これにより、損益計算書で正しい売上原価を算出できます。

3. 期首商品棚卸高の消費税区分

期首商品棚卸高そのものは消費税の対象外(不課税)ですが、仕入れ時に消費税は計上されています。

  • 棚卸商品は、法人税や所得税上は翌期以降に繰り越されます。

  • 消費税上は、仕入れ時点で「仕入税額控除」の対象になります。

詳しくは国税庁の仕入税額控除に関するページをご覧ください。

4. 期首商品棚卸高と期末商品棚卸高の関係

期首商品棚卸高は前期末商品棚卸高と一致します。
損益計算書で売上原価を求める際には、次の式が基本です:

売上原価 = 期首商品棚卸高 + 当期仕入高 - 期末商品棚卸高

正確な在庫管理は、適正な期間損益計算に欠かせません。

5. 売上原価の計算に期首・期末棚卸高は必須

商品の売上原価を正しく算出するには、棚卸作業が不可欠です。
製造業では、商品だけでなく材料・製品・仕掛品・半製品も棚卸資産として計上されます。

  • 棚卸高は、次回の仕入数量や金額を決める重要な情報です

  • 在庫数に異変がある場合は、関係者で情報共有し管理を徹底する必要があります

 

6. まとめ・経理担当者向けの便利ツール紹介

期首商品棚卸高の理解は、売上原価計算や決算処理に直結します。
経理担当者は以下のツールを活用すると、より効率的に業務を行えます:

  • 法人決算チェックリスト:自分で決算する方におすすめ

  • 勘定科目・仕訳ガイド(無料):85個以上の仕訳例を収録

  • Excel関数集:経理作業を効率化

  • AIツール活用ガイド:勘定科目の推測や定型仕訳の自動化に便利

さらに参照してください:

機能別分類とは|IFRS適用時の表示方法までわかりやすく解説