標準賞与額とは

標準賞与額とは?計算方法と社会保険料への影響をわかりやすく解説

ボーナス(賞与)を受け取ったとき、実際の支給額そのままではなく、社会保険料や年金額の計算に使われる基準が「標準賞与額」です。
標準賞与額は、健康保険や厚生年金の保険料を決定する重要な数値であり、将来の年金額にもつながります。
本記事では、標準賞与額の仕組みや計算方法、上限額、具体的な注意点を専門家がわかりやすく解説します。

標準賞与額とは?

「標準賞与額」とは、会社員などの被用者が受け取る ボーナス(賞与)を社会保険の計算に反映させるための基準額 のことです。

定義

  • 賞与:労働の対価として受けるもののうち、3カ月を超える期間ごとに支払われるもの

  • 標準賞与額:実際に支払われた賞与額から 1,000円未満を切り捨てた額

  • 上限:1回の賞与について 150万円まで が標準賞与額として扱われます

👉 例えば、賞与が 352,800円 支給された場合
→ 標準賞与額は 352,000円 になります。

標準賞与額と社会保険料の関係

標準賞与額は、次のような社会保険制度に直接関係します。

  • 健康保険料の計算

  • 厚生年金保険料の計算

  • 介護保険料(該当者の場合)

つまり、標準賞与額が高ければ、それに比例して保険料も増加します。

標準賞与額の上限と実務での注意点

標準賞与額には 1回あたり150万円 という上限が設定されています。
そのため、仮に 200万円のボーナス を受け取ったとしても、保険料計算に用いられるのは 150万円まで です。

注意点

  • 1,000円未満は切り捨てられるため、数百円の違いは反映されません

  • 複数回の賞与を受け取る場合、それぞれについて標準賞与額が決まります

  • 標準賞与額は「標準報酬月額」とは別物で、賞与専用の基準です

 

具体例:保険料の計算シミュレーション

例えば、30歳・東京都在住・標準賞与額352,000円の場合(協会けんぽ・一般被保険者)

  • 健康保険料(本人負担分):約17,000円

  • 厚生年金保険料(本人負担分):約32,000円

👉 実際には会社が同額を負担するため、社会保険料全体ではさらに大きな金額が拠出されます。

まとめ

標準賞与額は、ボーナスにかかる社会保険料や将来の年金額に直結する重要な基準です。
「1,000円未満切り捨て」「上限150万円」といったルールを押さえておくことで、手取り額や将来の年金額をイメージしやすくなります。
特に高額のボーナスを受け取る方や、昇給で賞与額が変動した方は、標準賞与額の仕組みを正しく理解しておくことが大切です。

さらに参照してください:

標準報酬とは?わかりやすく解説|計算方法と年金・社会保険料への影響