法人・個人事業主問わず、水道光熱費は経費として計上できる代表的な支出です。節税や正しい会計処理のためにも、水道代・電気代・ガス代などを正しく管理することが重要です。しかし、特に個人事業主の場合、自宅兼事務所での利用では「家事按分」が必要になるなど、少し複雑なケースもあります。
この記事では、水道光熱費の勘定科目・仕訳方法・家事按分の考え方まで、初心者でもわかりやすく解説します。
水道光熱費とは?
水道光熱費とは、会社や事業で使用する以下の費用を指します。
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電気代
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水道代
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ガス代
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暖房・冷房など熱供給にかかるエネルギー費
法人であれば「販売費及び一般管理費」、個人事業主であれば「必要経費」として計上できます。電気代やガス代、水道代をまとめて「水道光熱費」として管理することもできますし、明細ごとに分けて管理することも可能です。
ポイント:支出内容を分けて管理すると、どの光熱費が多いのか把握でき、経費削減や節税にも役立ちます。
水道光熱費の家事按分とは?
個人事業主が自宅を事務所として使用している場合、仕事用とプライベート用を区別する必要があります。仕事用の分だけが経費として計上できるためです。この区別を「家事按分」と呼びます。
家事按分の計算例
1か月の電気代:30,000円
仕事で使う割合:25%
経費計上できる水道光熱費:
30,000円 × 25% = 7,500円
注意:按分の割合は法律で定められていませんが、税務署から問い合わせがあった場合に説明できる基準を設定しておくことが大切です。
水道光熱費の勘定科目と仕訳方法
法人の場合
例:事務所のガス代 20,000円を普通預金から支払った場合
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 水道光熱費 20,000円 | 普通預金 20,000円 |
個人事業主の場合(家事按分あり)
1か月の電気代:30,000円
仕事で使った割合:25%(7,500円を経費計上)
引き落とし口座がプライベート用の場合
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 水道光熱費 7,500円 | 事業主借 7,500円 |
引き落とし口座が事業用の場合
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 水道光熱費 7,500円 | 普通預金 30,000円 |
| 事業主貸 22,500円 |
ポイント:プライベート用口座から引き落とす場合は、経費分だけ仕訳。事業用口座から引き落とす場合は、経費とプライベート分を分けて仕訳します。
水道光熱費を正しく管理するコツ
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領収書や請求書を保存する
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家事按分の基準を明確に決めておく
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按分計算を毎月記録する
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経費計上時には必ず勘定科目と仕訳を確認する
正しく管理しておくことで、確定申告や税務調査の際も安心です。
まとめ
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水道光熱費は法人・個人事業主ともに経費計上できる
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個人事業主で自宅を使う場合は家事按分が必要
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勘定科目は「水道光熱費」、仕訳方法は口座の種類や按分割合に応じて変わる
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領収書や請求書の保存、按分基準の明確化が重要
水道光熱費を正しく管理することは、経費削減・節税・正しい会計処理につながります。特に初めて経費計上を行う個人事業主は、仕訳のポイントや按分計算の方法をしっかり押さえておきましょう。
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