「レシートを見ると“消費税10%”とあるけど、実際には誰が払っているの?」
「日本の消費税っていつから始まったの?」
そんな疑問を持つ方に向けて、この記事では消費税の基本的な仕組みや歴史、国との比較を、会計の専門家がわかりやすく解説します。
税金初心者やフリーランス、経理担当者にも役立つ内容です。
🧾 消費税とは?──消費に対して課される「間接税」
消費税(しょうひぜい)とは、商品やサービスなどの「消費行為に対して公平に課税される税金」のことです。
つまり、何かを購入・利用したときに支払う税金です。
消費税は「間接税」に分類されます。
これは、実際に税金を負担するのは消費者である一方、**税務署へ納税するのは事業者(販売者)**だからです。
たとえば:
あなたがコンビニで100円の飲み物を買う場合、支払う金額は110円(税率10%の場合)。
このうち10円が消費税ですが、納税手続きはコンビニ(事業者)が行います。
このように、「税を負担する人」と「納税する人」が異なるため、「間接税」と呼ばれます。
📜 日本の消費税の歴史と税率の推移
日本で消費税が導入されたのは、平成元年(1989年)です。
それまでは、物品税という個別課税制度でしたが、「より公平な税制度を目指す」目的で消費税が導入されました。
▶ 消費税率の推移
| 年度 | 税率 | 主な出来事 |
|---|---|---|
| 平成元年(1989年) | 3% | 消費税が初めて導入される |
| 平成9年(1997年) | 5% | 初の税率引き上げ |
| 平成26年(2014年) | 8% | 社会保障と税の一体改革による引き上げ |
| 令和元年(2019年) | 10% | 軽減税率制度が導入される |
💡 現在(2025年)では、標準税率10%・軽減税率8%が適用されています。
🧮 消費税の内訳:国税と地方税の割合
消費税10%のうち、内訳は以下の通りです:
-
国税部分:7.8%
-
地方消費税部分:2.2%
つまり、私たちが支払う10%のうち約2割は地方自治体の財源として使われています。
かつて平成26年時点では「8%=国税6.3%+地方税1.7%」という構成でしたが、税率引き上げに合わせて内訳も見直されています。
🍱 軽減税率制度とは?
2019年10月の税率引き上げと同時に導入されたのが、軽減税率制度です。
これは、生活必需品などに対して税負担を軽くするための制度で、以下のような品目に**税率8%**が適用されます。
-
飲食料品(酒類・外食を除く)
-
定期購読の新聞
例:
-
コンビニで買うおにぎり → 8%
-
ファストフード店で店内飲食 → 10%
このように、同じ商品でも購入方法によって税率が異なる点が、軽減税率制度の大きな特徴です。
🌍 世界の消費税(付加価値税)との比較
日本の消費税率(10%)は、先進国の中では比較的低い水準です。
たとえば:
| 国名 | 消費税率(付加価値税率) |
|---|---|
| イギリス | 約20% |
| フランス | 約20% |
| スウェーデン | 約25% |
| サウジアラビア | 15%(2020年導入) |
| 日本 | 10% |
一方で、消費税が存在しない国もあります(例:アメリカでは連邦レベルの消費税なし、州ごとの売上税方式)。
このように、消費税制度は国ごとに設計が異なります。
💬 会計専門家のコメント
消費税は「すべての人が公平に負担する税」として位置づけられています。
一方で、生活必需品にも課税されるため、所得の低い層ほど負担感が大きくなるという課題もあります。
そのため、今後も「軽減税率」や「給付付き税額控除」など、バランスを取る仕組みの見直しが議論され続けるでしょう。
🧾 まとめ:消費税は「身近だけど複雑」な税金
| 要点まとめ |
|---|
| ・消費税は消費行為に課税される「間接税」 |
| ・納税は事業者が行うが、実際の負担者は消費者 |
| ・1989年導入、現在は10%(軽減税率8%) |
| ・世界的に見れば日本の税率はまだ低め |
| ・今後の制度改正にも注目が必要 |
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